2022年1月31日月曜日

金 レンジで膠着

 週末の米株式市場は主要3指数とも大きく反発。取引序盤は米12月個人消費支出(PCE)前年同月比5.8%上昇と1982年7月以来の高い伸びを示しインフレの高止まりが警戒されました。ただここのところ下げが進んでいたこともあり、値ごろ買いから堅調推移。アップルが好決算を出したことで市場への安心感が広がり後半に向けて回復基調を強めています。米長期金利は月末リバランス調整の動きか、買いが優勢となり10年債利回りは1.778%に低下。ドル円は115円台での推移となっています。米利上げ観測が強まってはいますが、米長短金利差が縮小する「イールドカーブフラット化」の動きがみられます。短期債が目先の利上げ、金融政策に影響される一方で長期債は先々の景気の見方を反映します。金利差が縮小することは先行き見通しで低成長が続くとの見方になっていることを示すため、低成長下での過度な利上げ利上げは市場の警戒心を強めることにもなります。

【金標準先物 日足】

大阪取引所の金標準先物先限では本日6650円を下回ると陰転換することになります。MACDもデッドクロスしているためチャートは弱いとも取れますが狭いレンジの動きが続いており大きく流れが転換するといった展開にはなりにくいと考えます。むしろ遅行線と実線の交差、一目均衡表雲の抵抗等もありますので見極めが必要。CFTCでは1/25時点の投機筋ポジションが買い越し拡大し総取組高も57万枚となっていましたが、27日現在で54万枚台まで減少しており投機買いが一部剥がれたといった具合の下げになっていると思われます。月替わりでもあり明日以降の動きに注意するところでしょうか。

【白金標準先物 日足】

国内外、200日移動平均線がきれいな上値の抵抗になっているようです。CFTC建玉明細を見る限りNY白金には新規買いの増加はほぼ見られず、売りポジションの買戻しが目立っていますので、あくまで白金はまだ自律反発の段階とみえます。レンジ内の攻防で推移し、ウクライナ情勢に注目しておきたいところです。

 

 

 

 

 

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2022年1月28日金曜日

金 1800割り込み膠着の一方で白金水準段階的に切り上げ

 おはようございます。

米株式は不安定な相場展開が続き続落。FOMC後の会見でパウエルFRB議長は想定以上に金融引き締めに前向きな姿勢を示しタカ派的な内容でしたが、バランスシートの縮小については開始時期やペースが具体的には示されておらず、材料として消化しきれていない点があることで不透明感が残っているようです。NYダウは前日比7.31ドル安の34160.78ドル。1月ではこれまで18営業日中前日比で上昇したのは5営業日のみ。ナスダックは前日比189.336ポイント安の13352.783。S&P500は前日比23.42ポイント安の4326.51。米長期金利は2年債は上昇圧力が強く1.188%の利回りとなっていますが、10年債については1.803%と長期債は売られた反動から買い直されている様子で2-10年債長短金利差は2020年11月以来の0.6%台までイールドカーブがフラット化。長期債には安全資産への需要があるようです。またFOMC後に対主要通貨でドル高が進行しており、ドルインデックスは2020年7月以来の97ドル台。米ドルの金利先高観に加えリスク回避でのドル需要が強まっているのか?

【金標準先物 日足】

NY金中心限月2月限は前日比36.6ドル安の1793.1ドルで終わり2営業日続落。対主要通貨でのドル高が進行しておりドル建ての金価格を押し下げています。NYでは1806ドルに200日移動平均線が位置しており、昨晩の下げは推定出来高が55万枚と大商いでストップロスを巻き込む下げになったとみられます。200日移動平均線を割り込むのは1/6以来となりますが、1/6の下げでは翌日すぐに反発し続伸しています。1/6は前日FOMC議事録公開での下げ、今回はFOMCでの下げ。これまでの傾向からすればFRB金融政策絡みの下げは一時的なボトムとなり反発しているケースが多いです。高インフレ、地政学リスクが下支えとなり再び緩やかに水準を切り上げることができるか…。国内は6650円を下回る終値で新値足が陰転となりますが、このまま行くと今日も粘り切るかたち。6770~6650でのレンジが形成されてしまい、しばらく持ち合うのか…?

【白金標準先物 日足】

日足で見る昨日の高値3850円(1/27)やその前の3838円(1/21)で200日移動平均線を超える局面から上ヒゲ線をつけ上抜けきれずの展開が続き上値に重たさを感じるかもしれませんが、日中立ち合い時間だけで見た場合は3770~3700円での持ち合いであり、終値ベースでの直近高値は3761円(1/21)です。本日これを超える終値で終えると新値足は6本目陽線が新たに建ちます。12月からの下値切り上げペースは継続されており再度ドル建て価格においても200日移動平均線(1049ドル)にトライしてくるものとみられ強気方針を続けるところとみています。

 

 

 

 

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2022年1月27日木曜日

金 1月FOMCで3月利上げを明確に示唆

 おはようございます。

FOMC声明では「2%を優に超える物価と力強い労働市場を踏まえ委員会は政策金利の誘導目標の引き上げがまもなく適切になると予想する」と次回3月FOMC会合(3/16)での 利上げを示唆する内容でした。また「FRBのバランスシートの規模縮小に関する方針」を公表し、利上げ開始後に資産圧縮を実施する方針を示しています。ただ具体的な資産縮小の規模やペースなどは明言しておらず、現時点で量的引き締め(QT)は保有債券の売却ではなく償還期日を迎えた債券への再投資をしないかたちで実施されるものと示唆しています。声明発表後のパウエルFRB議長の会見中に株式は下げに転じており、議長の金融引き締めに前向きな姿勢が米長期金利の上昇、ドル上昇の引き金となったようです。ウクライナ、中東情勢の悪化で7年4か月ぶりの高値まで上昇していたNY原油価格もFOMC声明後はやや上値を削られています。

【金標準先物 日足】

国内夜間立ち合いでは騰勢が増しNY取引開始時間間際に6778円(22:23)まで上昇し前日高値6776円を上抜け、NY金2月限も一時1850ドルを超える動きを見せました。しかしその後はFOMC声明発表を前に伸び悩み、声明発表後に対ユーロや対新興国通貨でドル高が進み割高感から金価格は押し下げられる展開となりました。NY金中心限月2月限のセツルメントで1829.7ドル(4:00)まで下げていますが、議長会見中にさらに押し下げられ、日本の日中立ち合い時間中1812.2ドル(11:06)まで下げており、国内大阪取引所金標準先物12月限は夜間高値から100円を超える下げ幅の6672円(11:13)の日通し安値をつけています。高いボラティリティでの値動きとなっていますが、利上げ観測については一旦明らかとなり材料としては出尽くしとなり、一方でロシア・ウクライナの地政学リスクにより下支え要因も強いとみられ、レンジは放れず再度上値を目指す展開を予想しています。

【白金標準先物 日足】

ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化により原油やパラジウムの供給滞りに懸念が強まり白金価格にも波及してきているものとみられます。昨晩は夜間立ち合いで反発が続き大阪取引所白金標準先物12月限は3850円(00:06)まで上伸。NY白金価格も1064.6まで上昇し200日移動平均線を国内外で上抜けましたが、高値水準を維持できず、株価や金価格の下げにつれて大きく値下がり。今朝の日中立ち合いでは3772円(8:45)でスタートしたものの、日経平均株価の値下がりが心理的な圧迫要因となり3721円(11:15)のマイナス圏まで一時値下がりをしています。今晩22:00頃には南アの政策金利発表が控え、ドル高ランド安の動きにブレーキがかかるか…。チャートでは下値を切り上げながら直近高値を更新しながらの持ち合いになっていることからも上昇基調は続いているものとみています。

 

 

 

 

 

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