おはようございます。
ポルトガルで開かれている欧州中央銀行(ECB)フォーラムでは日米欧英の中銀総裁らによるパネルディスカッションがおこなわれています。英BOEベイリー総裁は「インフレが持続する兆しを示唆」し、ECBラガルド総裁は「現時点で利上げ停止は考えていない」とし「7月に利上げする可能性が高い」と述べました。FRBパウエル議長は「年内2回の利上げ支持が多数派」で連続利上げの可能性を否定せずタカ派的な姿勢を見せています。日銀植田総裁は「基調的なインフレは目標を下回っている」として金融緩和政策を支持する姿勢を見せ、米欧英との政策方針の違いが鮮明となりドル円相場は一時1ドル144.60円まで円安が進みました。ただ現在の円安進行について日本の鈴木財務相、神田財務官らが発言している通り「円相場を注視していく」として過度な円安をけん制もしており144.00円付近まで円高となる場面もありました。米株式はパウエル議長の利上げに対する発言を嫌気し反落。NYダウは前日比74.08ドル安の33852.66ドル、S&P500も前日比1.55ポイント安の4376.86と反落しました。ただハイテク株は多くが値上がりしておりナスダックは前日比36.077ポイント高の13591.749と2日続伸となっています。米パウエル議長がタカ派的な発言をしているものの、金利先物市場からの予測FEDウォッチで年内2回分の利上げは織り込まれていません。明日30日に発表されるコアPCEデフレータでは前年比4.7%が予想され前回発表からは横ばいの高い水準が維持される見通し。米消費者物価指数(CPI)や明日晩発表される、変動の激しい食品・エネルギーを除いたコアPCEデフレータでディスインフレの兆候が強まれば利上げ観測も後退しますが、高いインフレが維持されていることが確認されると利上げ観測が強まることとなり、今後の流れを見極めようと市場は注視しています。
【金標準先物 日足】
NY金8月限は前日比1.6ドル安の1922.2ドルと小動き。ECBフォーラムでの世界的な金融引き締め姿勢が警戒され、直近では3月以来の1911.4ドルまで安値をつけています。ただドルも買い進まれ、日銀の金融緩和政策維持により昨年11月以来の1ドル144.61円まで「円安」が進んでいます。円建てのOSE金標準先物6月限は夜間立会いで8825円(20:08、20:36)で下値は限定的となり円安が下支えとなっています。ドル高となればNY金が下げ、ドル安となればNY金が上がり国内円建て価格は高安が相殺されながらの推移となりますが、チャート上は買い方の制空圏が維持されています。FRBが重要視するインフレ指標である明日のコアPCEデフレータで高水準が維持された場合には、年内『利下げ』に転換する可能性が低くなり金利を生まない「金」にとってはマイナス要因となるものの、ドル円相場も年末に向けて1ドル160~150円に向かうトレンドが強まる可能性も…。【白金標準先物 日足】
NY白金7月限は前日比13.2ドル安の915.3ドル。安値は昨年10月以来の900.6ドルまで一時下落しています。対主要通貨でドルが急上昇した局面でドル建ては価格は安値をつけています。あくまで需給よりもドル高が重しとなっている模様。白金の最大消費国は中国で世界需要の約30%を占めています。その中国上海で「上海プラチナウィーク2023」が今、開催されています。中国では自動車排ガス規制が厳しくなり特に大型車生産が約26%増える見通し。工業需要増加も見込まれており、需給の他、水素エネルギーの推進も広められているとみられます。OSE白金標準先物6月限は4140円(22:40)まで急落場面もありましたが、今朝日中立会い寄付きは4184円(8:45)でスタートとしており値を回復。明日で四半期末、半期末を終えポジション整理に絡む動きも収束してくるものとみられます。
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