2020年6月16日火曜日

金 FRB個別企業の社債購入を好感するも限定的

米株式は取引開始直後は感染拡大「第2波」への懸念から売りが先行していましたがNY時間午後に入りFRBが個別企業の社債購入を発表後これを好感し上伸。NYダウ終値は前日比157.62ドル高の25763.16ドル。ナスダックも前日比137.21ポイント高の9726.02。FRBは5月から社債ETFの購入を開始していましたが、個別企業の社債まで手を広げたのは初めてで6000億ドルの企業支援融資となります。その他NY連銀製造業景気指数も大きく改善。また英EU交渉でも今月末が決定期限となる現在12月末までの移行期間の延長はしない方向で合意がされ交渉が進展しているとされています。

東京市場も株が大幅高。米株式続伸の流れで米政権の1兆ドル規模のインフラ支援が検討されているとの報道からリスクオンの流れとなっているようです。日経平均は900円高超でドル円も一時107.60円まで円安ドル高が進んでいます。ドルも総じて対主要国通貨、対新興国通貨に対してリスクオンのドル安。

今晩は米5月小売売上高、5月鉱工業生産の発表があり、米パウエルFRB議長の上院での議会証言(23:00~)が予定されています。これについては6月FOMC決定の内容報告となります。

【NY金 日足】
昨晩のNY金はアジア時間からの軟調地合いが続き日本時間22:00台に1706.2ドルまで下落。その後23:00過ぎにFRBの個別企業の社債購入の発表後株式市場と同様に好感され反発の動きとなり終値セツルメント1727.2ドル(前日比10.2ドル安)まで戻りました。その後時間外でも流れが続いており14:00現在1735ドル近辺での動き。しかし個別企業の社債購入という追加供給策の発表も目新しい材料ではなく前日の高値を取り戻す勢いには欠けた動きという印象。

【東京金 日足】
夜間立ち合いで軟調が続き21:56に安値5907円をつけたあと、FRB発表後の動きで5965円(3:04)まで反発しています。東京朝8:45寄付き5959円からスタートして12:04に高値5980円まで円安も重なり上昇。日銀の金融政策決定会合でコロナ対応特別プログラム枠を110兆円に拡大。ただサプライズの内容ではなく新鮮味に欠けますがFTE購入ペースが鈍っていた中での発表であったため一定の安心感を市場に与えているようです。米政権1兆ドルインフラ策への期待からリスクオンムードが再燃し今日の東京金は円安の恩恵も大きい動きです。持ち合いレンジのなかで戻りの時間帯。






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