2022年3月31日木曜日

金 日銀物価優先 円安黙認

おはようございます。

米株式は小反落。NYダウが前日比65.38ドル安の35228.81、ナスダックが前日比177.361ポイント安の14442.275、S&P500は前日比29.15ポイント安の4602.45で終えています。29日トルコで4回目の停戦協議を終え停戦に向け進展がみられたとされましたが、ロシアがウクライナ側の譲歩案に同意するかどうかは不明。キエフでの軍事活動縮小を発表していますが、一旦縮小しても再軍備の準備と捉える向きも多く警戒感は拭いきれてはいないようです。乱高下が続くドル円相場は 昨日の岸田首相と日銀黒田総裁の会談で急速な円安への対応策が打ち出されるのではないかといった見方もあり121円台まで円高ドル安の動きを見せていましたが、日銀は10年債買いオペを今日まで無制限に実施し、また他の長期債も買い入れ額を増加して緩和策強化の手綱は緩めていません。明日朝(08:50)には日銀短観の発表ですが、大企業の業況判断や先行き、設備投資などは低下する見通しで日銀の緩和姿勢は当面変わらずとなりそうです。本日夕方には日銀が4-6月期の国債買い入れ予定額を発表。

 

【金標準先物 日足】

新たに中心限月となるNY金6月限は4営業日ぶりの反発で前日比21.0ドル高の1939.0ドル。停戦協議での進展がみられたとして前日に一時1900ドルを割り込む下落がみられたものの、ロシアへの警戒は緩まず、国内円建て大阪取引所の金標準先物は昨日の朝寄付きと同じ7570円(08:45)からのスタート。日中立ち合いでは29日終値7616円から7570円まで窓があり、このレンジ回復が待たれます。今朝方、米国が原油高インフレへの対応として大規模な石油備蓄の放出を検討しているとの報道から原油価格が時間外で5ドルを超える反落。どの市場では流動性低下から激しい値動きになっています。 今晩は米個人消費支出(PCE)の発表を控えていますがデフレータは前年比で6.1%から6.4%、コアデフレータで5.2%から5.5%に上昇することが予想されています。FRBが金融政策の判断をする重要指標であり、利上げペースについての憶測が、ドル円相場を激しく揺さぶる可能性がありそうです。

 

【白金標準先物 日足】

インフレの影響よりも、それによる急速な利上げが景気を冷え込ませるとの思惑が強く下値確認の動きとなっている様子。「金が高すぎて買えない」とみる投資家が代わりに白金を買うケースが少なくないですが、目先の景気減速懸念が上値抑制要因になっているようです。米2年-10年債の長短金利逆転がリセッション入りの兆候とされており日に日に景気減速懸念が高まっている様子。

 

 

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2022年3月30日水曜日

金 トルコ仲介のロシアウクライナ4回目停戦協議 米長短金利差逆転

おはようございます。

昨日トルコの仲介によりイスタンブールでロシアとウクライナの4回目の停戦交渉がおこなわれました。ウクライナはNATO加盟は断念するものの新たな安全保障体制の構築を提案したうえで「中立化」する方針を表明。ロシアの回答は留保されているもののロシア国防省はキエフ近郊の軍事活動を縮小すると発表しています。しかしプーチン大統領がどのような姿勢を見せるのか?ロシア軍がキエフ侵攻を諦めたかは定かではなく、即時停戦への見通しは今のところ立っていません。また今朝、29~31日まで10年国債での買いオペを実施している日銀は他の長期債についても買い入れ増額を発表。ただ今朝は「5・10日」により仲値に向け年度末決済によるレパトリエーション(国外滞留資金の本国還流)の円買いも多くみられる様子で一時1ドル121.96円(10:23)まで円高ドル安の動きがみられました。ロシア・ウクライナの停戦協議進展でインフレ加速への過度な懸念が後退し続伸している米株式とは相反し日経平均株価は1%弱の反落の動き。昨晩の米株式は、NYダウが前日比338.30ドル高の35294.19ドル、ナスダックが前日比264.734ポイント高の14619.636、S&P500が前日比56.08ポイント高の4631.60と続伸。米債券市場では2年債と10年債の長短金利差が2019年以来に一時逆転。米FRB利上げ姿勢を強め短期金利が上昇する一方で、急速な利上げが景気を冷え込ませる見通しから長期金利の上昇は鈍くなっています。長短金利差の逆転はリセッション(景気減速)入りの兆候とされるため、市場の警戒感は強まりそうです。

【NY金 日足】

【金標準先物 日足】
ロシアとウクライナの4回目の停戦協議で進展がみられたとして「安全資産」の魅力が後退となり新たな中心限月となるNY金6月限は一時1893.2ドル(21:36)まで下落。ただオープニングから買い戻される流れで1918.0ドルのセツルメント(清算値)で終了。その後もじりじりと値を戻しており11:00現在1927ドル前後で推移。NY総取組は28日で58万枚まで減少。中心限月移行もありますが、年度末によるポジション調整の可能性もあるか?4月以降もリバランス調整から投機筋ポジション拡大を期待。国内円建て大阪取引所金標準先物は夜間立ち合いで7433円(21:42)まで安値をつけ、その後買い戻され夜間立ち合い終了は7555円(06:00)。今朝から円相場が1ドル122円前半まで円高に振られていることで11:00現在7546円での推移となっています。日銀の緩和強化の姿勢は変わらず、NY金も1900ドル前半での動きのため、トレンド下限域と判断しています。

【NY白金 日足】

【白金標準先物 日足】
NY白金は完全に200日移動平均線を割り込んでチャートが下値探りの展開に。米長短金利差(2年10年)の逆転現象はコロナショック前の2019年に遡ります。ロシアのウクライナ侵攻によりこれまでの世界秩序は崩れ先行きの見通しが立たず、インフレへの警戒、世界の安全保障体制の再編等、先行きの経済見通しは決して明るくありません。代替等の期待から長期的な視点からすれば割り安値水準と考えられますが、景気減速による需要の落ち込みは避けられず。


 

 

 

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2022年3月29日火曜日

金 最高値7731円/g 円相場125.10円

おはようございます。

円相場が一時125円台に急落。世界の中央銀行がインフレ抑制のために利上げに向かうなか、日銀は金融緩和政策の強化をする姿勢。国内債券市場で10年国債利回りが0.25%に上昇したため、日銀は29~31日の3営業日にわたり0.25%を上限に無制限に買い入れる指し値オペ(公開市場操作)を実施すると発表。昨日アジア時間終了後に投機筋のドル買い円売りの動きが加速し、6年7か月ぶりに一時「黒田ライン」と意識されている1ドル125円に達しています。米株式市場では上海のロックダウンを受けて需要減退の観測から原油相場が急落し、エネルギー株が売られたものの、29日トルコのイスタンブールでロシアとウクライナの停戦交渉がおこなわれることで過度の懸念もやや後退し小幅高。NYダウは前日比94.65ドル高の34955.89ドル、ナスダックは前日比185.602ポイント高の14354.902、S&P500は前日比32.46ポイント高の4575.52。米国の期待インフレ率の上昇が進む中で、米長短金利差が0.13%とコロナショック時と同水準まで縮小。市場では目先の利上げ観測が強まるなか、将来の先行き不透明感、スタグフレーション懸念が強く意識されているようです。

【金標準先物 日足】

欧州時間に円相場が1ドル125.10円(17:51)まで急落。国内円建て金相場は円安に押し上げられる形で7731円(17:51)の史上最高値を更新。一方のドル建て価格はドルが対円、ユーロで上昇することで上値が抑制され、またトルコでのロシア・ウクライナ停戦交渉がおこなわれるのを控え、ウクライナのゼレンスキー大統領がロシアが主張する「中立化」について妥協案を示す姿勢を見せていることからリスク回避の動きがやや後退。NY金4月限は前日比14.4ドル安の1939.8ドルで取引を終え、時間外で更に1915.7ドル(04:44)まで続落後、アジア時間には1920ドル台後半まで戻してきています。ドル円が123~124円台で激しく上下。

【白金標準先物 日足】

米長短金利差の縮小が示す通り、将来のスタグフレーション懸念が強まるなか昨日の上海ロックダウンの影響で中国の需要減退の観測も強まっているとみられます。NY市場では1000ドルを割り込み950ドルの節目が意識されるとみています。200日移動平均線(1018ドル付近)を挟む動きも予想はされますが、目先は下値確認か?

 

 

 

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