2023年3月14日火曜日

金 リーマンショック以来の金融不安

 おはようございます。


米金融機関に対する信用不安が重荷となりリスク回避の動きが続いています。先週3/8シルバーゲートバンク任意整理、3/10シリコンバレーバンク経営破綻、3/12シグネチャーバンク事業停止と続き3行が実質破綻に追い込まれ、リーマンショック以降最大の金融不安が広がっています。FRBは新たな資金供給策「銀行タームファンティングプログラム(BTFP)」を発表、この不測の事態にバイデン米大統領も会見を開き、預金者保護を強調し相場の一定の下支えにはなっている模様。NYダウは前日比90.50ドル安の31819.14ドルで続落、ナスダックは金利低下により前日比49.956ポイント高の11188.843で小幅高、S&P500は前日比5.83ポイント安の3855.76で取引を終えています。3月FOMCでは利上げ停止といった見方も一部には浮上しており、まだ収まりを見せず。

【NY金 日足】


【金標準先物 日足】
NY金4月限は前日比49.3ドル高の1916.5ドルと3営業日続伸。1900ドル乗せは2/9以来。金融不安の拡がりから投機マネーが安全資産である金市場に流入しており総取組高は46万枚台に増加。またSPDR金ETF残高も1日で10トン以上の増加となっています。国内は今朝の日中立ち合い寄付きは前日比70円高の8164円と先限価格過去最高値を更新して始まり8185円(10:36)まで高値を伸ばしています。米利上げ長期化観測も一気に後退し、むしろ利上げ停止せざるを得ないのでは?といった見方も出てきています。短期見通しで見る目標目安水準は直近の下げ今月8084円(3/7)から7943円(3/10)までの下げ141円幅の倍返し[8225円]、中期見通しで見る目標水準は8098円(1/25)から7804円(2/13)までの下げ294円幅の倍返し[8392円]があくまで目安。NY金4月限1975.2ドル(2/2)に向かう流れのなかでドル円相場が極度に円高とならない場合には目標目安水準は難しい価格ではなさそうです。

【NY白金 日足】

【白金標準先物 日足】

NY白金4月限は前日比42.7ドル高の1004.9ドルで2/3以来に1000ドル台を回復。ドル安、金利低下により値を回復させてきています。景気減速懸念が強まる場合、上値を重くする場合もありますが、今回はまだ金融不安でのドル安。ましてやFRBが新たな資金供給策を打ち出すということは実質的に金融引き締め効果も薄れます。値位置からすれば出遅れ感があり「金」の伸び次第で上昇に期待も。国内チャートでは今日から遅行線が実線を上抜けてきています。伸びを期待するのはここから?


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