2020年7月31日金曜日

金 10連騰ならずも高値維持

昨晩の米株式は景気悪化懸念が強まり反落。序盤は米GDP速報値の落ち込みやトランプ大統領がツイッターで大統領選の延期について言及し一時500ドルを超える下落となりましたが売り一巡後、後半は引け後の「GAFA」決算への期待から買い戻される展開となりました。NYダウは前日比225.92ドル安の26313.65ドル。一方ハイテク株中心のナスダックは44.87ポイント高の10587.81で終えています。

【NY金 日足】
取組高が最も多くなった8月限の次の中心限月12月限はFOMC声明直後の高値1998.4ドルからアジア時間~欧州時間~NY時間と反落の展開。審理的に節目となる2000ドルが意識され日本時間深夜0:00台に1952.3ドルまで下落。利益確定に押された様子でしたが、GDP速報値悪化による景気悪化懸念などから株、ドル安が進行し再びドル建て金は買い戻されたかたちとなり12月限セツルメント(清算値)は前日比9.90ドル安の1966.80ドルで本セッションを終え、その後も時間外で反発の動きは続き日本時間12:50に1990ドルまで再び2000ドルを伺う動きになっています。ドルがユーロなどの対主要通貨に対してドル安が進んでおりドル建て金の下支えになっています。NY総取組高は7/29時点で600,154枚で先週から60万枚を挟みほぼ横ばい。投機筋の短期売買が上下頻繁に繰り返されている様子。

【金標準先物 日足】
ドル建て金価格上昇と円高ドル安進行との挟み撃ちで、4連休明けの高値6705円から安値6470円とのほぼ中間値水準である6600円を前後する展開。アジア時間や欧州時間、またNY本セッション後で高値安値をつけるなどドル建ても比較的商いの薄い時間帯で上下しており荒い値動きではあります。昨年2019年の年間もっとも円高になったのは8月で104.46円。8月は円高になりやすいと言われている月ということもあり先取りしているとも取れますが、今回の円高ドル安は「ドル安」が主導しているとみられ、さらに大きなリスク要因が加わると3月のように100円前半の可能性も出てきますが、101円までの円高はここ最近では2018年トルコショックや直近2020年コロナショックのような世界的なリスクが高まったときのみであり、世界的なリスク要因の拡がりに至らなければ円高は限定的ではないかと考えています。むしろ2~3円程度の巻き戻しがあるとすると円建て金価格の上げ要因にもなるかもしれません。米追加支援策協議を終えるまでは6700円超えの可能性も高いと判断しています。





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2020年7月30日木曜日

金 FOMC長期緩和姿勢を好感

おはようございます。

今朝は発表された米FOMC声明では景気見通しで若干の文言の変更はあったものの大きな変更はありませんでした。「フォワードガイダンスの変更」はありませんでしたが、景気下支えのために「あらゆる手段を用いる」ことを再確認し長期間緩和政策を続ける姿勢を市場は好感した様子です。
米株式はFRBの緩和姿勢を好感し反発。NYダウは前日比160.29ドル高の26539.57ドル。ナスダックは140.85ポイント高の10542.94。ハイテク大手「GAFA」各社の決算発表が今晩30日に予定されていますが、各社CEOが公正競争について米議会下院の公聴会で証言し滞りなく進行していたことで各社の株も買い進まれたようです。

【NY金 日足】

FOMCを控えNY本セッションでは堅調ながら様子見ムードとなり日本時間2:30の終値となるNY中心限月8月限セツルメント(清算値)は前日比8.80ドルの1953.40ドルとなり9日続伸。中心限月終値ベースでは史上最高値を4日連続の更新。その後の時間外となる3:00に米FOMC声明が発表され一時1945.8ドル(3:01)に沈む場面もありましたが、その後3:30からの米パウエルFRB議長の会見中にも値を上げ1974.9ドル(3:52)をつけ、日本時間28日朝につけた1974.7ドルを超える水準に達しています。それから1945.2ドル(4:05)までの反落を経て現在1960ドル近辺の推移。FOMC声明発表から1時間のあいだに約30ドル上下しておりボラティリティが高くなっています。ここのところアジア時間でNY時間を先行してドル建て価格が動くことが多かったですが国際金融アナリストの豊島氏は中国系ファンドが関与していると指摘しています。テクニカル指標では高値警戒水準ですがファンドによる短期売買の乱高下はまだ続く可能性は高くNY本セッション時間での1974ドルを超える水準をつけてくる可能性は高いと思われます。

【金標準先物 日足】
夜間立ち合い時間は一時6565円(23:15)までの下落場面がありましたが概ね6610円前後で推移。米FOMC声明発表をきっかけに上昇し6673円(3:50)までに達しています。朝日中立ち合い寄付きは6649円でスタート。現在6645円近辺で堅調推移となっています。ドル建てでは高値更新(1974.9ドル)していますが円建てでは28日高値6705円まではやや円高で為替水準が違ったこともあり達していません。しかし米追加支援策もまだ協議が難航しており決定しておらずファンドなどの投機筋の動きで短期的に高値更新の可能性もありそうです。






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2020年7月29日水曜日

金 急騰急落 今晩FOMC

おはようございます。

米株式は反落。NYダウは前日比205.49ドル安の26379.28ドル、ナスダックは134.18ポイント安の10402.09で終えています。米7月消費者信頼感指数が92.6と前月98.3から低下し市場予想も下回ったことから投資家心理が冷え込んだ模様。また協議されている米追加支援策についても共和・民主の折り合いがつかないだけでなく1兆ドル規模の経済対策案を発表した共和党内でも異論が出ており協議が難航していることも株価伸び悩みの要因となっているようです。
今晩FOMC2日目となり明朝3:00に政策金利発表となります。今回の注目点は「イールドカーブコントロール導入」「米国債購入規模拡大」「フォワードガイダンスの変更」となりますが、前回6月FOMCからまだ1か月しか経過しておらず緊急を要する事態になっているかどうか?先週の失業保険申請件数の増加や30日に発表される米4-6月期GDP速報値の悪化予想(前回発表-5.0%から-34.8%予想)を踏まえ先手を打つ可能性もゼロではありませんが、6月FOMC議事録公表から明らかになっているとおり「イールドカーブコントロール導入」についてはFOMCメンバーはほぼ全員が懐疑的な見方を表明しており、それよりも「フォワードガイダンスの変更」によって明確に長期間緩和政策を続けることを市場に宣言することを優先すべきとしています。昨晩FRBは従来9/30を期限とする緊急貸出プログラム を年末12/31まで延長しており、先行き不安をやや解消させる動きをしていることから「フォワードガイダンスの変更」は次回おこなうアナウンスにとどまるのではないかと考えられます。ただもし「フォワードガイダンスの変更」があった場合はサプライズな反応になる可能性があります。


【NY金 日足】

中心限月8月限セツルメント(清算値)は前日比13.60ドル高の1944.6ドル。昨日お伝えしている通り時間外のアジア時間から急騰し高値1974.7ドルをつけその後日本時間夕方に1900.2ドルまで急落しましたが、結果1900ドルを維持し価格を前日比プラスまで回復させています。前日7/27の総取組高が610,722枚のなか出来高は604,752枚の大商いとなっていましたが、昨晩7/28分も高値安値74ドルの上下を考えるとそれ以上の大商いだったことが予想されます(出来高・取組高は翌営業日発表)。今晩FOMCを控え、上昇モメンタムが強くもなり、また利益確定売りも出やすい過熱した動き。日足ベースで陰線を引くと利益売りに押される展開になりやすいと考えますが、それまでは2000ドルをもう一度試すチキンレースの展開か?

【金標準先物 日足】
昨日の日足ローソクは長い上ヒゲ線となりましたが、夜間立ち合いでの6500割れまでの急落で本日のローソク足は今のところ長い下ヒゲ線のかたち。相対力指数は9日RSIが89.03%、14日RSIが83.23%と依然高い水準で高値警戒感が強いながらの上昇。米追加支援策の協議が難航しており先行き不安がドル安を誘引し「金」価格を押し上げている模様。陰線が入るまでは上昇の勢いが止まらずの様相ですが、昨日のような急落の可能性も常に潜んでいるボラティリティの高い展開が予想されます。再度昨日高値6705円を試す流れか?




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