2021年10月29日金曜日

金 第3四半期金需要831トン前年同期比7%減も現物需要は旺盛

 おはようございます。

米株式は反発。好業績を好感しリスク選好が勢いを盛り返しました。またバイデン大統領が気候変動対策や子育て支援などを盛り込んだ大型歳出法案の規模を当初の想定から半減し10年間で1兆7500億ドルとする新たな枠組みを発表しました。規模は縮小されましたが政策実現に向けた期待感が強まったようです。米新規失業保険申請件数もコロナ危機後の最低を更新し雇用回復への安心感も好感されています。一方で米7-9月期GDP速報値は年率換算2.0%と前期から大幅に減速し市場予想を下回りましたが市場への影響は薄かったようです。NYダウは前日比239.79ドル高の35730.48ドル、ナスダックは前日比212.280ポイント高の15448.118、S&P500は前日比44.74ポイント高の4596.42と主要3指数は揃って上昇。引け後に発表されたアップルの決算は前年同期比29%増の834億ドルの売上高となりましたが供給制約の影響から市場予想を下回り時間外でアップル株価は約5%急落。米長期金利は前日の反動から小幅高で米10年国債利回りは1.578%。最近のイールドカーブのフラット化で20年債と30年債の利回りに逆転現象が生じています。 中央銀行はインフレ対応を余儀なくされ、成長が著しく鈍化していくといった見方があらわれているようです。

 

【金標準先物 日足】

<大阪取引所 金 投資部門別取組内容>

昨晩は対主要通貨でドル安が進行しドル建て金価格は再び1800ドルを超え上伸の動き。ECBは大方の予想通り維持されましたがその後の会見でラガルドECB総裁はPEPP(パンデミック緊急購入プログラム)を2022年3月に終了することを明言。インフレについては一時的との見方は変わりませんでしたが概ねタカ派的な内容と市場は捉えユーロ高が進んでいます。米GDP速報値が市場予想を下回りましたがあまり材料視はされず、米株式にリスクオンの動きが強まったことで金価格上昇の勢いが抑えられたようです。円建ては夜間立ち合いで6590円(22:30)と先限10月限の直近高値を更新しましたが勢いは続かず再びレンジ商いとなっています。WGCが2021年第3四半期の金需要を発表し前年同期比で7%減の831トンと低下していました。前年2020年では8月に2000ドルを超える騰勢を極めETF増加が顕著でしたが、今期は逆に流出となり金需要全体を押し下げる要因となっています。しかし一方で宝飾品、バー、コインなどの現物需要は前年同期比で増加。ETFが投機的な動きとするならば現物需要の実需が今年の金相場を下支えしている構図が読み取れる内容となっています。国内の総取組高はやや回復しつつあります。国内では10月以降、海外投資家の買いポジションの積み増しが顕著。11月は四半期中盤となり4-6月期第2四半期のような動きをみせてくれるかどうか?

【白金標準先物 日足】

NY白金は日本時間安値1008.9ドルまで反落しましたが、節目1000ドルを間近にやや持ち直し、昨晩のユーロ高を筆頭とする対主要通貨でのドル安の動きが下支え要因になっているとみられます。国内は3800円台の攻防から一旦下抜けした動きとなりましたが3700円割れで今のところ耐えきっている様子。国内取組では9月からの買戻しが一巡したようで総取組高の減少もおさまってきています。ただロシアやイギリスで再びコロナ感染拡大が問題視されており、欧州域ドイツでも2週間ぶりに感染者数が増加してきているとのこと。供給制約への懸念は拭えず、ドル安とは言えど「金」とはまた様子は異なるとみられます。


 

 

 

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2021年10月28日木曜日

金 原油安でインフレ観測弱まると同時に長期金利低下で材料交錯

 おはようございます。

米株式はまちまち。NYダウは利益確定売りに押され反落しましたが、ハイテク株は好決算で堅調となりナスダックはしっかり。NYダウは前日比266.19ドル安の35490.69ドル。ナスダックは前日比0.123ポイント高の15235.838、S&P500は前日比23.11ポイント安の4551.68。米長期金利は10年債利回りは1.550%に低下した一方、短期の2年債利回りは0.503%に上昇。今晩米7-9月期GDP速報値の発表を控えますが、新型コロナ変異株の感染拡大やサプライチェーン混乱の影響で回復ペースが大幅に鈍化するとみられています。米長短金利差(10年:2年)は9/21以来一か月ぶりの水準に縮小。景気が減速する中で金融政策が正常化に向かう見方が米長短金利の動きにあらわれています。 原油価格が下落したことも長期金利の下げに影響を与えているとみられます。

 

【金標準先物 日足】

アジア時間から欧州時間にかけてコモディティー価格の下落を受けて新興国通貨、資源国通貨が下落したことにより一時リスクオフのドル買い円買いが進みましたが、米長期金利の低下にもつながり金は再び買い直された動きとなりました。NY金12月限は前日比5.4ドル高の1798.8ドルのセツルメント。高値はアジア時間の1801.0ドル(15:37)と欧米時間では精彩を欠いています。米週間原油在庫が前週比430万バレルの積み増しとなり原油価格が反落しインフレ圧力が弱まる一方で長期金利も連動した低下となり金価格は小幅な動きとなったようで、昨晩の国内円建て価格はドル円の動きに沿ったかたち。目先は今晩のECB、来週3日のFOMCでテーパリング縮小開始時期を探ることになります。

 

【白金標準先物 日足】

3700円台を割り込み調整入りの様相。昨日夕方には白金価格の下落から南アランドが下落。産出国通貨安とのスパイラル。ドル建てでは目安の1000ドルが近づき失望売りと押し目買いが交錯しているとみられます。今晩の米GDP発表で景気回復のペースが注目されます。減速感が強まると3600円割れも視野に入るかもしれません。

 

 

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2021年10月27日水曜日

金 NYダウ3営業日連続の高値更新

おはようございます。

米株式は続伸。NYダウは連日の最高値更新となり前日比15.73ドル高の35756.88ドル。米企業の好決算が続き業績期待の買いが膨らんでいる模様。また10月の消費者信頼感指数も前月から上昇し市場予想を上回りました。インフレ懸念が強まる中でも消費者心理の改善が続いていることでリスク選好ムードが強まっています。ただ一方でフェイスブックやテスラは前日の高値から反落。引け後に決算が発表されたマイクロソフトも市場予想を上回る好業績となりましたが、時間外の株式は軟調。楽観ムードが強まる一方で利益確定の売りも出やすい環境のようです。ナスダックは前日比9.009ポイント高の15235.715ポイント、S&P500は前日比8.31ポイント高の4574.79ポイントで引けていますが小幅高。米長期金利はやや低下で米10年国債利回りは1.610%、一方2年債利回りは来週のFOMCを控えて0.448%に上昇。

 

【金標準先物 日足】

NY金12月限は3日ぶりの反落となり前日比13.4ドル安の1793.4ドル。一時週末の安値(1783.4ドル)を下回る1783.0ドルまで下落。株式市場のリスク選好ムードが金売りを誘ったとのコメントが多いですが、インフレ懸念が強まる中でNY市場の総取組高も51万枚まで膨らみ、株式市場と同様に来週にFOMCを控え利益確定売りも出やすいかんきょうになっているかもしれません。米実質金利も低下しており金には追い風となりますが、イベント前にして材料の賞味期限切れで一旦出尽くしの可能性もあるかもしれません。1800ドル超えを巡る持ち合いとみられますが、国内市場では昨日6月以来の6600円超えの終値が出たことでフロアでもやや買い付きが散見され重たさを感じます。FOMC前の調整か?

 

【白金標準先物 日足】

金の軟調な動きに連動して反落。対新興国通貨のドル高の動きも上値抑制要因になっているようです。約2週間弱3800円台でのコアレンジで動きてきましたが、本日の下げでレンジから下抜けの動き。日中の値動きでは3770円以下には3710円台まで空洞地帯であり、国内相場は値動きが軽い価格帯となります。引けまでに急反発することになればこれまでのレンジをいじすることになりますが、このまま引けるとチャートは悪くなり3600円割れも視野に入る動きに。日足ベースではMACDのデッドクロスが間近で安易な押し目買いは禁物か?



 

 

 

 

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