商品先物取引　「切り札をさがせ」: 12/15/20

2020年12月15日火曜日

金　米実質金利は着々と…

おはようございます。

週明けの米株式は反落。英国に続き米国でもワクチン接種が開始されました。接種開始となったファイザーワクチンに続き、モデルナワクチンも近いうちに緊急使用許可が承認され早ければ21日から接種が始まる見通し。しかしコロナ感染再拡大からNYでは飲食店への営業規制が敷かれ、NY市長は更なる完全なロックダウン（経済封鎖）についても言及し警戒感が高まりました。またロンドンでは警戒レベルを最高の「ティア3」に引き上げ、コロナの「変異種」の可能性を指摘し、より警戒感を高めています。NYダウは取引時間中の最高値を更新しましたが後半失速し前日比184.82ドル安の29861.55ドル。ナスダックは62.17ﾎﾟｲﾝﾄ高の12440.04。概ね景気循環株が売られハイテク株が買われた内容でした。

【NY金　日足】

中心限月2月限セツルメントは前日比11.5ドル安の1832.1ドル。高値は日本の日中立ち合い時間中、週明け朝の寄付き直後1845.6ドル（14日8:00）、安値は1820.0ドル（19:29）。昨晩ドル安でありながらワクチン接種によるリスクオン場面では安全資産魅力低下から売られやすいようです。ただドル安背景には米実質金利低下の動きがあり現在は下支え要因になっているとみられます。このまま低下の動きが続けばいずれ押し上げ要因に。

【金標準先物　日足】

国内市場では5営業日続落の動き。ワクチン接種開始により安全資産の魅力低下が価格を抑えている様子。ただ実際は商い低迷によりボラティリティ低下で人気がつかず…。今晩から米FOMCが開催され16日（日本時間17日未明）に政策発表とパウエルFRB議長の会見。今回はQE期間を明示するガイダンス変更に留まる予想が多くなっています。購入債券を短期債から長期債の比率を増やし購入枠を増やさずに緩和効果を上げるといった変更も指摘されていますが今回は見送りか…？米FRBとしては政府による財政出動を要求する姿勢を見せていましたので、FRBが先んじて動くのはどうかとみますが果たして？このように考えると今回の米FOMCは相場にとってはスルーになる気がしますが、今週末の米SQが終われば投機資金に動きが出てくるのでは？と考えています。