2022年11月11日金曜日

金 米10月CPI前年同月比+7.7%に低下 米長期金利大きく低下

おはようございます。

昨晩発表された米10月消費者物価指数(CPI)は 市場予想(前年比+8.0%)を大きく下回り前年比+7.7%と物価上昇率の鈍化が示されました。市場ではこれまで6月以降続いてきた75bpずつのハイペースな利上げ幅が縮小されるとの見方が広がり米長期金利が急低下。2年債利回りは4.330%と10/12以来、10年債利回りは3.811%と10/5以来の低水準まで低下しています。ドル円は10月初旬の1ドル144~146円を大幅に下回り140.19円(06:09)まで大幅に円高ドル安に振れています。投機筋のドル買いポジションが急速に巻き戻されたかたちです。注目人物となっているWSJニック・ティミラオス記者は「50bp利上げに向けて動いている」と発言。FRB高官などの発言も相次ぎ、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は「4.50%で一時停止を望む」と50bp利上げ幅を支持、ローガン・ダラス連銀総裁も「利上げ減速が適切」とドル売りの後押し材料となる発言。デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、メスター・クリーブランド連銀総裁らはインフレの上振れリスクは残っていると警戒は示しているものの米CPIの結果を評価し、FRBの利上げ幅縮小が今後のコンセンサスになっていくとみられます。FEDウォッチの12月75bp利上げ予想は43%から14%に急低下。

【NY金 日足】

【金標準先物 日足】
米CPIでインフレ鈍化が確認され米長期金利が急低下。ドルも対主要通貨で売られドル建て金は大幅に上昇。NY金中心限月12月限は前日比40.0ドル高の1753.7ドルと8月末以来の水準まで回復。一方、急速なドル売りによってドル円も一時1ドル140.19円(06:09)までドル安円高が進み、国内円建て価格はNY上昇分を相殺されています。OSE金標準先物は前日比79円安の7937円で夜間取引を終えましたが、日中取引寄付きは前日比53円安の7963円(08:45)でスタートし、7974円(10:18現在)まで堅調な動きを見せています。NY金日足チャートでは遅行線が10月初旬の実線ローソク足に沿って上昇し実線ローソク足の上に位置してきました。注目すべきは総取組高の推移。今月11月FOMCまで取組高が増加しながら価格が下落してきましたが、このFOMC以後相場は反発上昇してきた過程の中で総取組高が増加してきています。今週価格の節目となる1700ドル、1750ドルをクリアして上昇し総取組高を積み上げてきていることからすると、買戻しが主導している上昇相場とも言い切れず。FOMCで利上げの終着点が先延ばしとされたものの、目先の利上げ幅縮小観測が投機筋のドル買い金売りポジションを巻き戻させており、同時に新たな買い仕掛けが入っていることが推測されます。ETF残高も減少傾向が止まるかもしれません。NY金では200日移動平均線が位置する1800~1810ドル付近が目標目安となるか?相場の上昇、総取組高推移は先月10月のNY白金と類似。OSE金標準先物の日足新値足陽線は昨日でまだ4本目。

【NY白金 日足】

【白金標準先物 日足】
OSE白金標準先物は前日の下げを飲み込み再び直近高値を更新。NY白金も米CPIを確認後、株式市場の上昇に連れ沿う形で大幅に上伸し中心限月1月限は前日比57.7ドル高の1055.0ドルの高値。今年6/6の1038.3ドルを一気に超え、年初来高値1197.0ドル(3/9)に迫る動きとなりそうです。OSE金標準先物日足チャートでは本日4540円を超える終値で新値足陽線はは9本目となり3月時上昇の8本を超えます。2021年2月上昇時の新値足陽線は11本。上昇の勢いは続くものの、ボラティリティは大きくなります。


 

 

 

 

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