2022年4月22日金曜日

金 パウエルFRB議長0.50%引き上げ既定路線か

 昨晩の米株式は好調な企業決算を好感して上昇スタートとなりましたが、国際通貨基金(IMF)主催のパネル討論会で欧米の中央銀行総裁らが発言することで金融政策・経済見通しへの警戒感が強まり大きく反落しています。NYダウは前日比368.03ドル安の34792.76ドル、ナスダックは前日比278.413ポイント安の13174.652、S&P500は前日比65.79ポイント安の4393.66。5月FOMC前で注目された米パウエルFRB議長は0.50%の政策金利引き上げが議論になると述べ、また「私の考えではもう少し早いペースで動くことが適切」と市場には0.50%引き上げを織り込ませる内容の発言。またECBラガルド総裁は欧州景気について幾分停滞しているとする認識を示し、6月の理事会で資産購入プログラムの終了を議論し、金利の道筋を示す可能性を示唆しました。一方、日本の鈴木財務相と米国のイエレン財務長官が22日未明に日米財務相会談をおこなったと伝えられています。鈴木財務相は金融市場動向と円相場について議論したと述べ直近の円安が急激と数字で示したとのこと。ただ米国当局からの発信は報道で伝えられていません。日米間で円安ドル高の動きについては、国内のインフレを抑え込もうしている米国にとってはむしろ好都合でもあり、日本側の円安是正の要求に対して耳を傾けるとは考えにくく、踏み込んだ議論はなされていないだろうとする見方が多いようです。来週末から日本は大型連休に入りますが、その直前に日銀金融政策決定会合。28日に黒田日銀総裁の定例会見が予定されており、米国は5/4のFOMC声明発表で0.50%以上の政策金利引き上げ、バランスシート縮小(QT量的引き締め)が発表されると予想されています。現在の市場の見通しではその後6月FOMCでも既にFEDウォッチでも示されている通り0.50%以上の政策金利引き上げを織り込んでいる状態です。

【金標準先物 日足】

NY金は3日続落。米国の金利引き上げ見通しから米国債が一時2年債で2.72%、10年債で2.94%の利回りまで金利が上昇。これにより金利を生まない金の上値が抑えられたとされています。一方、円相場も20日の129円台からはドル円の上値が重たくなっており昨晩は128円を割り込む水準までの円高に押され、国内円建て価格は伸び悩んでいます。夜間立ち合いでの安値は7961円(20:43)。本日午前には8055円(10:34)までの戻りを見せましたが円相場が円高ドル安に進みやや軟調で推移しています。夜間取引では約15000枚の出来高に対して日中の出来高は現在約10000枚と多くはない商い。現在21本目の新値足陽線が陰転するのは13日終値の7950円割れ。これまでのハイペースな上昇の勢いを維持するとすればこれを割れずに再度上昇。しかしこれを割り込んで陰転する場合には一段の下値を警戒します。20日、21日と国内は急落時に取組高が増加し3/10以来に4万枚を回復していますが、売り方による買いか?ロシアウクライナ情勢についてはロシアの対独戦勝記念日(5/9)を意識する見方も出てきていますが、ロシアがウクライナのマリウポリを掌握と伝えられるもあまり意識されていないのか、これに対する反応はいまのところないようで、注目は金利・円相場に集まっているようです。

【白金標準先物 日足】

4/14からの急騰も往って来いの反落。円相場次第の動きとなっていますが、ここのところは新興国通貨安も下押し圧力か?

 

 

 

 

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