中国の金輸入は、過去最高水準だった昨年の水準から減少するとみられている。昨年金市場は低迷し、中国が唯一の有望市場だったが、これにより今年も価格が圧迫される可能性がある。
ただ、金価格は昨年28%下落しており、たとえ中国の大口投資家が他の商品に乗り換えても、一般消費者の強い買い意欲を背景に影響は限定的となる公算が大きい。
昨年中国では、特に4月の価格急落後、一般消費者が割安な金商品を求めて長い列を作る状況がみられた。
最新の統計によると、2013年1─11月の中国の金輸入は前年比2倍以上の1060トンに急増。世界の購入量の約3分の1を占めた。
ただアナリスト4人のうちの3人は、唯一データが入手可能な中国の香港からの金輸入について、2014年は少なくとも10%減少するとみている。1人は前年と同水準と回答した。
クレディ・スイスの貴金属リサーチ担当部門の責任者、トム・ケンダル氏は「中国の金輸入は、おそらく前年比10─15%の減少が適正な水準だろう。宝飾品市場に放出可能な在庫は十分な水準になっている」と指摘した。
昨年市場では、世界的な景気回復兆候を背景に、より高いリターンの商品に乗り換えるため金を売却する動きが加速。12年におよぶ上昇相場が終了した。インドでは政府が輸入規制に乗り出し、需要が大幅に縮小した。
ANZは2014年の中国の金輸入は900トン、VTBキャピタルは1000トンを下回る水準、スタンダード銀行は変わらずと予想している。
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