12月20日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和策の縮小を開始すると発表したことを受け、トレーダーらは金投資を断念せざるを得ない状況となり、金相場は3年ぶりの安値を付けた。年間ベースの下落率は1981年以降で最大となりそうだ。米ゴールドマン・サックス・グループは、下落は終わっていないと指摘する。
金現物相場はニューヨーク時間19日午後5時(日本時間20日午前7時)時点で前日比2.4%安の1オンス当たり1188.68ドルと、2010年8月3日以来の安値を付けた。ゴールドマンは今年11月20日に、金相場が来年末までに1050ドルに下落するとの見通しを示している。
投資家の間で価値の保存手段としての金への信頼感が低下したことを受け、年間ベースの金相場は今年、2000年以降で最大の下落となりつつある。FRBは18日、債券の購入規模を毎月850億ドルから750億ドルとし、量的緩和策を縮小する方針を示した。米株式相場は過去最高値に上昇。金に裏付けされた上場取引型金融商品(ETP)の価値は今年に入って計約730億ドル減少し、産金会社が計上した評価損は少なくとも総額260億ドルに上っている。
ゴールドマンの商品調査責任者、ジェフリー・カリー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで「金相場は14年に年間を通じて下落する可能性が高まっている」と指摘。「FRBのQE(量的緩和)の縮小では、ずっと緩やかな過程とは対照的に予想される下落の大部分は価格に織り込まれている。金市場はこうした材料については通常、直ちに価格に織り込もうとする」と述べた。
週明けの市場の反応に注目したい
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