-結婚式シーズンに金需要が増えるインドでは、政府の輸入規制に対応しようと、1キロまでの金の持ち込みを非居住インド人に認める規則を利用した金の持ち込みが増えている。
中国と並ぶ金の大量消費国であるインドは、貿易赤字を縮小し、ドルの流出を防ぐため、金の輸入を制限する措置を講じている。これには金の輸入関税を過去最高の10%まで引き上げることや、金輸入総量の20%を宝飾品として再輸出することの義務付けが含まれる。
ただ、インド国外に6カ月以上滞在した非居住インド人には、その使用目的にかかわらず、輸入関税を支払うことで金の持ち込みが認められている。これに目を付けた一部の取引業者は、非居住インド人に対し、航空運賃を肩代わりする見返りに金の持ち込みを依頼している。
匿名希望の空港当局者によると、12月に中東ドバイからインド南部ケララ州のカリカットに到着した便で約80キロの金が持ち込まれた。
インド国内の宝石宝飾品取引業者の団体を率いるBachhrajBamalwa氏は「金を持ち込む非居住インド人は輸入関税を支払うので、なんら違法性はない」述べた。同氏によると、その大半は航空運賃を肩代わりしてもらったタミルナド州やケララ州の労働者という。
政府当局者の試算では、非居住インド人を通じた金の持ち込みは11月半ば以降で1トンにのぼる。それまではほぼゼロだった。
貴金属コンサルタント会社トムソン・ロイターGFMSのデータによると、11月の公式な金輸入は約21トンに減少し、月間需要の半分以下だった。
12月に入り、ロンドン市場に対するインドの金相場のプレミアムは過去最高となる1オンスあたり160ドルに上昇した。
トムソン・ロイターGFMSのアナリスト、SudheeshNambiath氏は「高水準のプレミアムに乗じて、業者は非居住インド人に金の持ち込みを依頼し、見返りに航空運賃の一部あるいは全額を負担している」と指摘する。
業界関係者によると、非居住インド人は、輸入関税を支払った後でも、1キロの金持ち込みで12万5000─15万ルピー(2000─2400ドル)のコスト減になる。
密輸が増えたと言われる同国だが、合法にビジネスする知恵者がいるものだ
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