東はフィンランド、西はノルウェーと接し、南はオーレスン海峡を挟んでデンマークと向かい合う北欧最大の国。先祖は9世紀前後にヴァイキングの名で知られる海洋民族であった。旧市街ガムラ・スタンのレトロな雰囲気と、最新のショップやレストランなどが混在する、首都ストックホルムは北欧諸国で最も洗練された町だ。しかし、国土のおよそ半分は森林に覆われており、トレッキングやフィッシングなど、大自然を楽しむこともできるとか。日本では、大型家具店のイケアや昨年銀座にオープンしたアパレル業のH&Mなどが有名。そのスウェーデンがにっちもさっちもいかない状態だという。
PIGSやハンガリー、ルーマニアといった東欧諸国以外に、危険といわれているのが、バルト三国である。エストニア、ラトビア、リトアニアという、かつて旧ソ連に属していた小国だ。
イギリスと同じくマネーの貸し手側は、金融危機で融資の返済が滞ると、それは同国の融資環境に途端に響く。借り手側の通貨が暴落し、貸し渋りはもちろん、貸し剥がしを行っても返済の目処が立たなくなるのが自然だ。その最右翼といわれているのがスウェーデンである。
スウェーデンは、エストニアの全対外債務の81%、リトアニアの64%、ラトビアの57%をたった一国で引き受けている。実にスウェーデンGDPの16%に当たる金額をバルト三国に貸し付けているのだ。
今回の金融危機でその悪影響をモロに受けているスウェーデンは、過去1年間で失業率が急上昇している。09年3月の失業率は7.8%だったが、今年2月の統計では、ついに9.0%の大台に乗せた。上昇率だけをみるとPIIGS諸国よりも悪化しているのだ。
戦後最悪のリセッションに見舞われている東欧やバルト三国では、G7諸国のように、これといった産業はない。アイルランドのように、不動産価格だけが急上昇してきた国々だ。担保不動産の下落は、借りての借金増加と不良債権の増大を意味する。とくに現在、22.9%の失業率を抱えているラトビアに至っては、リーマンショック後、1年間で不動産価格が50%も下落した。
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