2022年6月24日金曜日

金 景気後退リスク警戒で米長期金利低下

米パウエルFRB議長の議会証言が上院下院でそれぞれ終え、金融引き締め方針については6月FOMCの内容から大きく変化がないことから材料出尽くし感もあり安心感が広がり米株式は買い戻される展開となりました。ただ昨晩発表された米6月製造業PMI速報値は予想を下回る内容だったことから景気減速懸念は根強く残っている模様で、米長期金利は低下。ふたたび米長短金利差が縮小する兆しもあり先行き不透明感が漂います。7/27の次回7月FOMCまでに雇用や物価指標の動向で7月ないしその後9月以降の金融政策の行方を探ることとなります。昨日の米株式市場はNYダウが前日比194.23ドル、ナスダックは前日比179.113ポイント高の11232.193、S&P500は前日比35.84ポイント高の3795.73。ドル円相場は米ドル金利低下を受けてドル安円高の動きとなり1ドル134.25円(22:59)まで円高に振れています。

【金標準先物 日足】

一昨日、昨日と8000円台を回復していたものの終値では維持できず。景気後退懸念から原油や非鉄金属、穀物の価格が値下がりしており期待インフレ率が低下していることで米実質金利が上昇しています。実質的な金利高によってドル建て金価格は上値がやや重たくなっているようです。円建て金価格にとって押し上げ要因となっていたドル円相場も米長期金利が低下することで日米金利差縮小となりやや円高に振れやすい環境となっています。今年に入り3月、5月とFOMCで政策金利引き上げが決定されると一旦ドル高が弱まる傾向がみられており、今回もその感が否めません。ドル建て金価格が狭いレンジでの商いとなっており、為替の影響を受けるのがメリットでもありデメリットでもあります。ドル金利上昇観測が強まる7月FOMCまでは約1か月以上あり、それまでの間にドル円のポジション調整が入る可能性がありそうです。円建て金価格ではMACDのデッドクロスに入ってくると目先弱気に傾く可能性もあり警戒はしておくべきか。新値足陰転値は7838円(6/7終値)。

【白金標準先物 日足】

OSE大阪取引所の投資部門別建玉内容をみると6/17時点では一般玉の買い越しが大きく拡大。買い方が海外投資家から切り替わったかたちとなっています。景気後退懸念が強まり、特に中国発信の懸念となると需給に大きくかかわってくることとなりますので、マイナス要因となりますがドル建て価格は900ドルがこれまで強力な下値サポートラインとなっていますので、下値も限定的な動き。ただドル円相場がやや調整色が強まってきているとみられ、円高には警戒が必要かもしれません。

 

 

 

 

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