2021年3月11日木曜日

金 長期金利上昇の乱は終了?

おはようございます。

米株式は長期金利上昇の懸念が払しょくされNYダウが史上最高値を更新する大幅上昇。NYダウは前日比464.28ドル高の32297.02ドル。取引時間中の最高値は前日までの最高値を200ドル以上上回る32389.50ドルをつけています。取引開始前に発表された米CPI(消費者物価指数)は前月比+0.4%前年比+1.7%と予想通りでしたが、エネルギー・食品を除くコア指数が前月比+0.1%前年比+1.3%が市場予想を下回り低インフレだったことで長期金利が低下し、ダウは取引開始から買いが先行する展開。日本時間朝方に下院で可決された追加経済対策法案への期待も重なっていた模様。一方のナスダックはハイテク銘柄など長期金利が落ち着いたことで売りが一服したものの伸びはなく、前日比-5.00ポイント安の13068.83。S&P500種株価指数は前日比23.37ポイント高の3898.81。国債入札における金利上昇懸念は薄らぎましたが、もう一点注目されることとして昨年4月にFRBがおこなったコロナ対策としてSLR(補完的レバレッジ比率)規制の緩和が3/31に期限を迎えます。民主党側から「延長すべきでない」との圧力がかけられていることから延長しないといった見方が有力。これも金融機関が株・債券などの売却に迫られる懸念のひとつだったようです。もし延長されることになると株・債券の買い材料に。


【金標準先物 日足】

NY中心限月4月限セツルメントは前日比4.90ドルの1721.80ドルで2営業日続伸。米消費者物価指数で低インフレが示され長期金利が低下したしたことで上昇。NY日足チャートではすでに新値足が陽転していますが、国内でも6016円(9:46現在)ではMACDがシグナル線とゴールデンクロスしておりチャートが好転しつつあります。米長期金利上昇のひとつの要因として日本のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の米国債保有のリバランス調整だったという話もあり、とすると金の上値抑制要因だった『長期金利上昇の乱』が終えたと判断できるのかもしれません。しばし下値固めの時間とみますが、強気でみておきたいところ。
 

【白金標準先物 日足】

長期金利上昇によるドル安を受けて南ア通貨ランドが上昇し、NY白金は中心限月4月限でセツルメントが1201.8ドルと前日比26.4ドル高の上昇。WPICから2021年の3年連続の供給不足が発表されたことも押し上げ要因になったとみられます。昨晩の夜間立ち合い高値は4176円(04:55)で2/16高値4524円から3/5安値3826円までの下げ幅の1/2戻り水準。テクニカル指標からもまだ買い転換と判断するのは早いと考えますが、3/5安値3826円は当面の安値として考えたほうが良いかもしれません。今晩のECBでも現在のインフレ値上昇は一時的として金融緩和プログラムを正当化する見通しでドルとユーロの金利差の動きもまだ波乱要因。まだ下値が固まったとは判断できません。




 

 

 

 

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