年金積立金管理運用独立行政法人(GPIS)の改革を議論する有識者会議で先週20日、改革が必要でどのような運用が良いのかという最終報告書が政府に提出された。運用規模は120兆円。
どのようなお金かというと下の図で示したようなお金である。
今年6月末時点のポートフォリオと今後の展望を見ると
国内債 国内株 外国債 外国株 その他(現金など)
現在 60% 12% 11% 11% 5%
直ちに 52% 17% 13% 13% 5%
1~2 35% 20% 20% 20% 5%
年後
このような現状と今後の展望が最終報告として上げられた。ちなみに、一番下は、世界の年金基金の平均的なポートフォリオであるそうです。
安倍政権では、アベノミクスの名の下にインフレ率を2%としている中で、今までのようなデフレ下の中での保守的な国内債券に偏重したポートフォリオではだめで、改革が必要だと提言。
この会議の中で、今回の提言書をまとめるのにも意見がわかれ大変だったそうです。年金という性格のお金である以上、リスクアセットを増やす事に反対する人もいたとか。
今回の提言では、ポートフォリオの変更以外に新たな運用対象を組み入れていくべきだと提言書にはある。いわゆる、オルタナティブ投資である。リート・インフラ投資・プライベートエクイティー・コモディティーなどである。
そして更に、ベビーファンドのようなものを作り内部だけで運用をやるのではなく外部に委託して運用を任せるのも有りではないかと。。
また、上のような運用方法だけではなく全体を見守るマネージメント部分の改革も必要だとしている。例えば、現在GPIFの職員は76人。有名なカルパース(カルフォルニア州年金基金)では数百名の職員がいるそうです。
具体的な改革として現在GPIFでは、理事長・理事が1人ずつ。長は1人でよいが理事は複数人いるべきだと。また、この年金基金の管轄官庁である厚生労働省の役人ではなくプロが入るべきだと。また、現在でも運用委員会というものがあるが、パートタイムで2ヶ月に1度2時間程度のプロのアドバイスだけだそうです。これを、常勤にすべきであると。提言書の指摘はは簡単で、普通の組織形態でないものを普通の組織にしようと言っているだけの事。
しかし、問題は実効性である。案としてはマーケットにとってはとても素晴らしいものだが、現段階ではこれはあくまで有識者会議で話されただけである。これを、政府で話し合い法律にし法案を通し新たな組織を発足させれまでには、今までのような日本的な流れからいうと1~2年は掛かりそうである。実際、1~2年後に発足され出来上がった時点でインフレ率2%となってからでは遅い。今後、安倍総理の手腕が試されるところである。
四の五の言っている場合では・・・
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