確かに今までは円安効果があったが、もう少し具体的に見てみるとどうだろうか。本当に輸出が数量ベースで増加しているのか?
地域別で見ると、対アメリカでは安倍政権発足時よりわずかながらプラス。EU・アジア向けは、金融緩和による円安で6月まで増加していたが安倍政権発足当時と同じ。
品目別で見ると、
・耐久消費財(車など)→安ければ安いほど売れるものだが、80年代に全体の30%を占めていたこの分野では、現在では15%程度。輸出ではなく現地生産にシフトされている。当時ほどの円安効果を得られない。
・資本財→これは安ければ売れるというものではなく輸出先相手国の企業の生産活動があっての初めて売れる分野。アメリカの金融緩和縮小ムードにより、新興国からマネーが流出している今、こちらも効果が得られにくい。
結局のところ、ここまではグローバルな大企業にとっては円安により、為替差益による効果はあったが、円安によって輸出が数量ベースで増加したかというと安倍政権発足時とほぼかわらずであったということ。
貿易によるGDP成長率の増加は、大きな項目の一つである。7月ー9月期のGDPが11月14日に出るが、今の段階での予想は前期比年率換算で+0.3~+0.5%ではと。ちなみに、当初の想定だと+2.2としていた。このひらきはとても大きい。
0 件のコメント:
コメントを投稿