上の図は、アメリカの社会心理学者、アブラハム・マズローの人間の欲求についての考え方で、人間の欲求は5段階あり、下位の欲求が満たされると次の欲求が現れ、それが満たされるとさらに上位の欲求が現れるとのもと、つくられた図です。
■第1段階・・・「生理的欲求」 食欲や性欲・睡眠欲・排泄欲など、人間誰もが持つ、生理的な欲求です。「腹減った」→「だから食べる」「喉渇いた」→「だから飲む」「眠い」→「だから寝る」。生きていくうえで必ず必要なもの
■第2段階・・・「安全(危機回避)欲求」 自分の身の回りに降りかかる「危険」や「危機」を回避しようとする欲求です。「いやなことは、極力避けたい」。誰にでもある欲求です。「風邪をひきたくない」→「だからビタミンCをとろう」などです。この欲求も普遍的
■第3段階・・・「社会(所属)欲求」 「周囲から認められたい」「誰かから愛されたい」など”みんなと仲良くしたい”欲求です。裏を返せば、みんなから取り残されたくない欲求、ともいえます。上記「生理的欲求」「危機回避欲求」と比較すると、この次元からは”周囲からの目線”という「社会的要素」が加わっているのがおわかりになるかと思います。
■第4段階・・・「尊敬欲求」 「周囲から尊敬されたい」「すごいと思われたい」など”自尊心・優越感”を満たす欲求です。「自分に自信を持ちたい心理」が根底にあります。みなさんの周りにもいるかと思います。
■第5段階・・・「自己実現欲求」 この欲求は案外単純です。「好きだから、する」「やりたいから、やる」の欲求です。しかし、もっとも人間味のある、根深い欲求でもあります。その根底には「やりがい」や「生きがい」「自分自身の在り方」への追求があり、自分なりの価値観や哲学性と、その実現がからんでくるからです。
その本では、まず第1段階の人達と第5段階の人達の苦しみは同じなのか?ということからスタートしていました。一見、食べ物や飲み物すらままならない人達(第1段階)の方が苦しいように見えますが、このような考え方をしている限り、日本人の自殺者は無くならないと。なぜなら、自殺しようと考えている人に「お前の苦しみなんて、日々食べることや飲み物すらままならない人達から比べれば、大したことないんだから頑張れ」とアドバイスすれば、それこそ自殺を決心してしまうと。もう頑張れないから助けを求めているのに、更に頑張れと。しかも、君の悩みなんて小さい悩みだとも。
きっと、どのような段階にいても、人の苦しみは当人にとってみれば大きな悩なのだなと。
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