商品先物取引　「切り札をさがせ」: 金　ドル円1ドル153円台　1990年以来約34年ぶり

おはようございます。

昨晩発表された米3月消費者物価指数（CPI）は前年同月比+3.5％、コアCPIは前年同月比+3.8％と物価上昇の鈍化の市場予想に反して伸び率が上昇。年内の利下げ予想は大きく後退し、米長期金利は10年国債利回りで4.5％を超えました。米株式は利下げが先送りとなる憶測から大幅に下落。NYダウは前日比422.16ドル安の38461.51ドル、ナスダックは前日比136.279ﾎﾟｲﾝﾄ安の14170.360、S＆P500は前日比49.27ﾎﾟｲﾝﾄ安の5160.64と主要3指数は揃って下落。またFOMC議事録でも最近のインフレデータには多くの参加者が失望しており、利下げ前には更なる確信を求めるなど、利下げ観測を後退させる内容が確認されました。ドル円は一時153.22円（05:40）までドル高円安が進みました。1990年6月以来、約34年ぶりの円安水準です。

【NY金　日足】

【OSE金標準先物　日足】

NY金6月限セツルメントは前日比14.0ドル安の2348.4ドルと4日ぶりに反落。米CPI発表直後約20ドル急落しNY株式市場が開いた時間には2337.1ドル（22:31)まで安値をつけています。その後2370ドルまで戻してからは2340～2360ドル台で推移しFOMC議事録公表後に2344.2ドル（03:57）まで下げてからは2350ドル台に戻しており今朝の9:00現在は2353ドルで推移しています。OSE金標準先物も米CPI発表後に乱高下を繰り返し11380円（22:31）が夜間立会い中の安値。その後に切り返した11548円（23:48)が夜間立会い中の高値となっています。今朝の日中取引寄付きは前日比18円安の11487円でスタートし9:15現在11475円で推移。米CPI、FOMC議事録は下げ要因となりましたが、ドル建て価格も2340ドル前後で下支えられ、ドル円相場が34年ぶりの153円台へと円安になっていることで国内円建て価格は高水準を維持していると言えます。またイランがイスラエルに対してこの数日中に攻撃を仕掛けるとの憶測から原油相場が上昇しており中東地政学リスクも燻ぶっているなか、「金」も堅調地合いに変化はないとみられます。

【NY白金　日足】

【OSE白金標準先物　日足】

NY白金7月限セツルメントは前日比7.7ドル安の976.4ドル。他商品同様に米CPI発表前までは堅調な展開でしたが、CPI発表後のドル高でコモディティは急落しましたが、下げ幅も限定されました。OSE白金標準先物2月限は4720円（00:24）が夜間立ち合いの安値となり4700円台を維持しています。インフレに対する警戒からコモディティ価格は堅調。

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