2021年10月12日火曜日

金 ドル円113円台20年10か月ぶり

おはようございます。

昨晩米国はコロンブスデーのため為替・債券市場は休場でした。週末の米9月雇用統計では非農業部門雇用者数の増減では市場予想(50万人増)を下回る(19.4万人増)でしたが、前月分は上方修正され、また失業率は4.8%に改善したことから11月FOMCでテーパリング開始が決定されるという市場のコンセンサスに変化はないようです。ただ賃金の上昇も確認されておりインフレが経済成長を妨げる懸念が株式市場の上値を抑えたとみられます。週明け11日の国内株式市場では日経平均株価が400円以上の上昇。自民党総裁選の勝利から岸田首相の『財政健全化』方針のなかで警戒されていた「金融所得課税の見直し」について経済界から多くの反対の声が上がっていましたが、これに対して当面見直しは行わないことを表明し市場が好感しました。国内株式上昇に加え、ドル円金利差拡大の見通しからドル高円安が進み、昨日11日には112円台上昇。さらにNY株式はゴールドマンサックスが財政政策が弱まることに加え、従来予想ほど個人消費が伸びが見込めないことを理由に2021年と2022年通期の経済成長率見通しを下方修正したことを嫌気し、決算前の持ち高調整売りから続落の動きとなり、ドル円はリスクオフのドル買いで113円台に進行しています。


【金標準先物 日足】

本日で10営業日続伸。米9月雇用統計発表直後、NY金12月限は1782.4ドルまで上昇したもののすぐさま反落し1750ドル台の狭いレンジの動きとなっていますが、為替でドル高円安が進行しているため国内換算価格が上昇することとなり、円建て価格は1か月ぶりの6400円台を目指す動きとなっています。円安の押し上げ要因だけでは材料的に不安はあるものの、ドル円が2018年12月以来2年10か月ぶりの水準となっており、チャート上は2018.10.4の114.55円を試す動きとなっていて当面ドル高円安が国内円建て価格の押し上げ要因となりそうです。今週の懸念材料は米9月FOMC議事録でテーパリング開始決定に向けたFRBの動きに対する市場の反応。2013年6月にテーパリングの具体的なスケジュールを明らかにして半月で、NY金は当時1350ドルから1200ドルまで下げボトムをつけました。ただ当時と比較しドルの水準が現在はかなり割高になっているとも言えます。市場がどのような動きをみせるか?


【白金標準先物 日足】

3日続伸後の反落。一目均衡表雲上限にあたる3700円まで達した後、本日の動きとなっています。週末のレポートで東南アジアでのパンデミック収束が自動車生産の減少傾向の歯止めになる見通しを指摘しましたが、あくまでも買戻しの範疇の動き。週末までに3600円以上を維持していくのかがポイントとなりそうです。ドル高円安も円建て価格の押し上げ要因ですが、ドル建て価格では1000ドルを超えているとは言え、遅行線は国内チャートのように実線は超えておらず向こう10営業日前後、実線が下げてくる時間帯。中国での電力不足も更に深刻化しており需要の拡大にはまだ時間を要するとみられます。上昇警戒はあくまでテクニカル要因。

 

 

 

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