2022年8月30日火曜日

金 欧州でも大幅利上げ観測 8日ECB

 おはようございます。

週末の米パウエルFRB議長がジャクソンホール会合での講演で景気の下支えよりもインフレの抑制を最優先する姿勢を示し、金融引き締めが強化される見通しから景気の減速が懸念され株価は反落しました。週明けのアジア・欧州の市場においても景気減速への警戒が強まりました。またインフレへの抑制については欧州からも大幅な利上げの必要性を訴える声も出ており8日におこなわれるECB理事会でも0.75%の大幅利上げがおこなわれるとの見方から欧州金利も上昇しています。ただ昨日は欧州にて高騰を続けてきた天然ガス価格に調整の動きがみられたこともユーロ反発につながり、またレーン専務理事が電力市場への介入を示唆したことも景気減速への懸念を後退させています。一方、円については黒田日銀総裁が金融緩和継続の方針をジャクソンホール会合でもあらためて示しており、金融政策の方向性の違いから対主要通貨で弱い動きとなっています。

【金標準先物 日足】

NY金12月限の入電は横ばいの前日比0.1ドル安の1749.7ドル。しかしながら昨日、日本の立会時間帯の終値時間(15:15)ではドル建て価格は1734.0ドル、安値では1731.4ドル(17:11)まで値下がりしていたため、昨日の終値時間15:15からは実質15ドルほど反発している計算となり、今朝の国内円建て価格は前日比約50円の上昇となっています。原油価格がサウジの減産表明に対し数か国が支持を表明したことを受けて供給不安から押し上げられ上昇。リビアでの地政学リスクもあり多少影響もあったのか呼応するように金価格も反発していましたが、世界的にインフレ抑制のため金融引き締め観測が強まっていることからも戻り高値は1757.9ドル(23:16)で折り返し反落。ドル建て価格の上値にも重たさが残っています。国内円建て価格があらたなステージに移るには7月の円の安値139.18円を超える円安が必要かもしれません。

【白金標準先物 日足】

昨日日本時間からはユーロの反発がみられ、ドル建て白金価格は850ドル割れから反発。800ドル台はVW(フォルクスワーゲン)の不正問題に端を発した『VWショック』の2015年9月以降でも底値圏の水準です。ディーゼル車から燃料電池車、電気自動車への移行が進むなかで需要の減退が見込まれつつもこの2022年まで安値圏は大きく変わってきていないことからも下値は限られているとみられます。ただ供給不安や需要喚起のあらたな相場の材料が2021年の脱炭素への潮流以外にあらわれてこないのも人気陰りの要因。来週にはWPICからの需給報告が公開される予定となっており需給の変化に注目です。