本日は国内「金」「白金」の貴金属市場が激しく上昇しました。
5日におこなわれた米トランプ大統領と中国習近平国家主席との電話会談で関税政策を巡る2度目の米中閣僚級協議を早期に開くことが確認されました。米中両政府は5月10~11日に1回目の閣僚級協議を開き互いに相互関税を115%引き下げることに合意しましたが、その他の貿易不均衡の点などでは交渉が停滞しています。特に中国は世界の生産量の7割を占めるレアアースの輸出規制を続けており、米国や欧州、日本の自動車メーカーでも部品供給不足によって生産停止の動きが出ています。「レアアース」を中国は切り札としてきているため、中国側優位との見方が市場心理を悪化させており、産業用需要の高い「銀」「白金」などの貴金属が投機筋の標的となったようです。
一方、米中交渉の進展によって、リスク後退の見方から安全資産の「金」は人気が低下しますが、高い水準はいまだに維持されています。5日におこなわれた日本の30年債の入札は低調。5月20日におこなわれた20年債入札も低調でした。日本だけではなく、各国の財政赤字拡大への懸念を背景に世界的に金利は上昇傾向。来週に予定されている米10年債・30年債の入札にも波及する可能性があり、市場の注目が集まります。米国の財政赤字の拡大に対する懸念は強まりつつあり、投資家は長期の米国債を保有するためのリスクプレミアム拡大(金利)を求めます。「悪い金利上昇」が今後の「金」価格を支える要因にもなります。
【NY金 週足】
【OSE金標準先物 週足】6日本日のOSE金標準先物4月限終値は前日比77円安の15680円で終えました。週足ベースでの終値では最高値更新です(これまでは5月9日の15618円)。ドル建て、円建てはともに5月の最高値更新には至っていませんが、長期上昇トレンドになか着実に下値を切り上げてきている印象です。米中貿易摩擦が4月以降の相場の材料となっていましたが、これから8月向けては特に米財政赤字の問題が焦点になってくるとみられます。トランプ大統領の提案する大型減税案で財政が圧迫される懸念が、米国債入札状況などに反映されてきています。【NY白金 週足】【OSE白金標準先物 週足】6日本日のOSE白金標準先物4月限は前日比339円高の5115円と高騰し、昨年10月以来、約7か月半ぶりに5100円台乗せまで上昇しました。当限6月限と10月限以外は一代最高値を更新することになり、圧倒的に買い方優勢の状況となりました。きっかけは米中首脳の電話会談とみられますが、今後開かれるであろう閣僚級協議への進展具合で乱高下されてくることが予想されます。その他、ECBが7会合連続で利下げを実施しましたが、ラガルド総裁が利下げサイクルの終了を示唆したことでユーロが上昇し、白金価格上昇を招く要因にもなったと考えられます。2020年パンデミック発生で急落して以降、ドル建て価格の高値は1300ドル。2022年高値の1200ドルを超えると次の目標水準に。
セミナー 今後の予定
6/28 岡地セミナー(東京)
講師:水上紀行
過去開催の相場セミナー
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【2025年】
5/17(東京) 講師:江守哲
4/5(東京) 講師:池水雄一・大橋ひろこ
1/25(東京) 講師:水上紀行
【2024年】
10/19(東京) 講師:水上紀行
9/21(東京) 講師:三次理加
9/7(東京) 講師:高野やすのり
7/20(東京) 講師:三世一目山人
7/6(東京) 講師:YEN蔵
4/6(東京) 講師:山中康司
以上の講演動画以外にも大阪会場、また昨年以前に開催の講演動画もございます
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