2022年8月29日月曜日

金 パウエル議長インフレ抑制最優先 1ドル139円に

週末ジャクソンホール会合で注目された米パウエルFRB議長の講演ではタカ派的な姿勢があらためて確認されました。来年早々に利下げに転じるとの市場の思惑をけん制する内容となり、あくまでインフレの抑制を「やり遂げる」ことを最優先する金融政策が続くことがリスクとして意識され株式市場は悲観的な値動きとなっています。週末の米株式はNYダウが前日比1008.38ドル安の32283.40ドル、ナスダックは前日比497.555ポイント安の12141.710、S&P500は前日比141.46ポイント安の4057.66と大幅に反落。ドルは買われ、特にドル円は週明けアジア時間からドル高円安が進み直近ドルの高値1ドル139.18円(7/14)に迫り、本日は日中139.00円(14:09)までドル高円安が進んでいます。9/21米FOMCでの金利引き上げ幅予想は75bpのほうに高まり70%を占めるに至っています。

【金標準先物 日足】

本日、先限2023年8月限が発会。発会値は7677円。手前限月6月限の発会値7908円と比べ231円安い水準での発会となりました。週末夜間立ち合い終了は6月限で7667円(前日比39円安)でしたが、ドル円が朝から1ドル1円以上ドル高円安が進んだにもかかわらず、ドル上昇に対してドル建て貴金属の価格が急落したことでさらに軟調な展開となりました。週末発表されている8/23時点のCFTC建玉明細では投機筋の買いポジションが縮小、ドル高に対する金売り(ショート)建玉が増えており、ドル建て市場は依然上値が抑制されている展開のようです。週末のパウエル議長の発言から利上げ観測も強まりショートが増えているとみられます。ただ同時にリスク回避による下支えも少なくはないようです。VIX上昇によってNY金価格も同じように動きている傾向も一部みられることから、一方的には上下偏らず、今週は週末の米雇用統計まで持ち合う展開となりそうです。 

【白金標準先物 日足】

週末の米株安を受けてNY白金の入電は中心限月10月限で前日比18.6ドル安の855.3ドル。本日の国内2023年8月限の発会は3740円でスタート。先限つなぎ足では一目均衡表の雲から下抜けたかたちですが、まだ商いも細く7月の安値域3600円台を試すのかどうかといったところ。ドル高が上値を抑制しているかたちで結果、持ち合いレンジの動きから脱せず。

 

 

 

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