2022年2月28日月曜日

金 米欧ロシアにSWIFT制裁で合意

 ロシアウクライナ情勢はこの週末にも様々な展開が繰り広げられています。ウクライナとロシアの代表団が隣国ベラルーシにおいて停戦協議に臨むと伝えられていますが、成否は不透明。ロシアのプーチン大統領は核抑止舞台に高度な警戒態勢への移行を支持し、「核」をちらつかせる暴挙。米欧はロシアに対して追加金融制裁を発表しSWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシアの銀行の一部を排除することで合意しています。ロシアの銀行がどれだけ排除されるかは不透明ですが、SWIFT制裁が実施された場合ロシア企業の決済やエネルギー開発の頓挫など影響は大きなものとなります。しかし一方で当初の経済制裁に加えられなかったのは、西側諸国にも影響が少なくなく対ロ融資の焦げ付きや天然ガスなどの貿易停滞などの副作用もあり、西側諸国もダメージを受けます。これにより決済不履行の点からドル供給が不足する可能性もあり、再び世界の各中央銀行がドル供給オペに動かざるを得なくなる可能性も否定できず、この環境下で米3月FOMCでFRBが利上げに踏み切ることができるのか?またバランスシート縮小についてもこれまでのように早期開始の議論が続くのか…。ウクライナ情勢の行方と同時に、今週は2日に米パウエルFRB議長の議会証言が予定されており、注目されます。

【金標準先物 日足】

週末はロシアのプーチン大統領がウクライナとの協議に向けて用意があるとされたことでリスク回避が後退したことでNY金4月限は1900ドルを割り込み1887.6ドル(前日比38.7ドル安)で終えました。しかし市場の開いていないこの週末の間、プーチン大統領の「核」をちらつかせる発言や米欧のSWIFT制裁の合意が発表されたことで週明け今朝のアジア時間からドル建ては1900ドル台を回復、またドル供給への懸念から対主要通貨でのドル高が進んでいます。週末25日には国内10万枚以上の出来高となり、高安300円の高いボラティリティの動きで高速取引による商いが多かったとみられますが、特に国内日中取引においてはこの3営業日7000円台後半で同じ水準での推移となっており、終値ベース高値7120円からはまだわずか50円程度下げた水準。SWIFT制裁の詳細が明らかとなるまでは不透明な展開も続き、またロシアとウクライナの停戦協議もロシアの単なる時間稼ぎとの見方も…。3/4~3/13までパラリンピックが開催されるため中国への配慮があるのかどうかはわかりませんが、あくまで小休止というだけでリスクはそのまま。

【白金標準先物 日足】

200日移動平均線を国内外で上抜けており下値を切り上げてきたトレンドは維持されていると判断しています。ロシアに対する経済制裁の中でもSWIFT制裁がとても重要案件となり、場合によっては世界的なドル供給に不安が高まる可能性も出てきています。インフレの芽は粛々と芽吹いてきている流れの中で白金も例外ではないでしょう。NY白金の投機筋ポジションは拡大し総取組高も増加傾向が続いています。



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