2010年3月11日木曜日

15歳の東京大空襲


 昨日の3月10日は、65年前の1945年、東京大空襲の日でした。そこで、昭和史・幕末史などでベストセラーを生み出している半藤一利の新著、[15歳の東京大空襲]をご紹介したいと思います。



 半藤氏はこれまで、なぜ戦争にまで至ったのか?そして何があったのか?ということを様々な視点で語られていた方であった。しかし、戦争についてたくさんのことを語られた方であるが、これまでにご本人の戦争体験を一度も語られてこなかった。もちろん、ご本人も作品名にあるように、15歳の時に東京大空襲を経験されている。



 著書の内容は、今までのように戦争の悲惨さなどが語られていたが、私が印象に残ったのは、戦争によって人間は、自分が生き残るために被害者にもなるが同時に加害者や傍観者にもなりうると。そこが始まってしまった戦争の真の恐ろしさだと。そのように考えると、これからの人間のすべき行動が自然に分かってくると。自分たちの生活の中から、平和に反するような行動原理を徹底的に駆逐すべきだとしています。何よりも人間を尊重し、生きていることの重みを慈しむことだと。それ以外戦争をとめる最善の方法はないと。始まってからではそれまで。始まる前にと。



 戦争がいかに人間の本性に深く食い込んでいるか、世界中で起きている動乱やテロを見れば明らかであると言っています。よって戦争の外形的な悲惨さ・非情さ・残虐さを強調するだけでは後世に何も伝わらないと。これだけでは、平和を守りえないことは歴史が証明しているとおっしゃっていました。だから、日常生活から戦争につながるような行動を日々駆逐していかなければならないと。

 戦争はいけないこと・平和って大切だし良いことだよねといっているだけでは、また戦争を繰り返すだけなんだなと。中学生でも読めるかたちになっているので、是非、手にとって見てください。

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