2026年3月30日月曜日

金 実質金利上昇が金の下げ要因に?2022年と2026年の比較

 今週の週明けも、米海軍の強襲揚陸部隊の到着に加え、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が戦闘に加わったことで、2カ月目に入った戦争が拡大する可能性に懸念が高まっています。WTI原油は再び100ドルを超える水準で推移しており、東京株式市場も大幅続落で取引が始まり、日経平均株価は前日比2500円安付近での推移。ドル円は週末に1ドル160円台をつけ、今朝には一時1ドル160.46円(07:38)までドル高円安が進みました。米トランプ大統領が「イランの石油を奪いたい」と述べ、ハルグ島を接収する可能性を示唆したことでさらにドル高圧力が強まりました。その後は三村財務官の牽制発言で円買いが広がり160円割れ。160円の大台に乗せたことで、日本の通貨当局によるドル売り円買い介入への警戒感もありますが、ただ今回の円安は、中東情勢を巡る「有事のドル買い」によるドル全面高の様相のため、介入での実弾投入も有効かどうか不透明な環境です。

【ドル円 日足】



【WTI原油 日足】


【NY金 日足】


【OSE金標準先物 日足】
 週明け30日、本日のOSE金標準先物2月限はイエメンの親イラン武装組織フーシ派が再び戦闘に参加したことで、サウジアラビアからアジアに原油が送られる代替ルートの紅海で運行する船舶に対するフーシ派の脅威から原油価格が高騰し、インフレ高止まりへの警戒が強まり、安寄りスタート。23535円と週末夜間立ち合い終了時の23750円から215円値下がりし日中取引が始まりました。原油価格が100ドルを超え、日本株も大幅に下落し、寄り付きから勢いで一時23308円まで値下がりしましたが、その後原油価格の上値も重くなり株価も回復してきたことで、金価格も持ち直し15:00を過ぎた段階で23850円まで安値から500円以上切り返してきました。今晩は日本時間23:30にパウエルFRB議長が討論会に参加するため、FOMC会見と同じように利下げに慎重な姿勢を示すかどうかが注目されます。

イランへの軍事攻撃が開始され、2か月目となりますが、この一か月間、金価格は、イラン紛争の長期化によってインフレが高止まりし政策金利が年内に引き上げられるとの懸念や、金利上昇(実質金利の上昇)が値下がり要因となっています。ロシアがウクライナに侵攻した2022年もインフレ懸念が強まり、実質金利が上昇しドル建て金価格は約8か月間値下がりしています。では2026年今回も同じようになるのか?実際に検証してみると、2022年は紛争開始から実質金利は約3%弱上昇し、NY金価格から420ドル(20.4%)下落しました。しかし、この期間FRBは政策金利をほぼゼロ金利の状態から4%政策金利を引き上げました。 
では2026年これからどうなるか?すでに米政策金利は3.50~3.75%の状態。実質金利はイランへの軍事攻撃開始後、約0.4%上昇し、金価格は5400ドルから一時4100ドルまで約1300ドル値下がりしています。1300ドル値下がりはパーセンテージにすると約24%の値下がり。実質金利は2022年よりも上昇しているわけでもなく、金価格は2022年の20%以上に値下がりしています。こう比較してみると、実質金利上昇による値下がりが要因とすれば現在の値下がりはかなり行き過ぎではないかと考えます。相場は常に材料を先取りしていますので、今後の金利上昇を懸念して売られた状態ですが、今後金利が上昇した場合でも徐々に織り込みつつ価格を持ち直していく展開が予想されます。

 

[米実質金利とNY金価格推移(2022年ロシアのウクライナ侵攻時)] 



[米実質金利とNY金価格推移(2026年米国イスラエルのイラン軍事攻撃時)]

 

 

 

 

 

 

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