米ABCテレビは30日、昨年6月から行方不明になっていたイランの核科学者シャハラム・アミリ氏が米中央情報局(CIA)の手引きで米国に亡命していたと報じた。情報当局者から説明を受けた関係者の話として伝えた。 アミリ氏は30歳代前半でテヘランの大学に勤務。昨年6月にイスラム教の聖地巡礼のためサウジアラビアに到着後、所在不明となり、イランのモッタキ外相らは米当局が拉致したと非難していた。アミリ氏は亡命後、イランの核開発計画に関しCIAの聴取を受けているという。
今年の1月にはイランの首都テヘランで、爆弾による攻撃があり、同国の核科学者マスード・モハマディ氏が死亡している。事件を受けて、国営メディアはただちに「反革命勢力」および外国勢力による犯行と報じた。 国営メディアによると、テヘラン北部のモハマディ氏の自宅前で、オートバイに固定された遠隔操作の爆弾が爆発。テヘラン大学で核エネルギーについて教えていたモハマディ氏が爆発に巻き込まれて死亡したとのこと。 テヘラン検察当局によると、モハマディ氏が車に乗り込もうとした際に、自宅前に止められていたオートバイに仕掛けられた爆弾が爆発したという。国営イラン学生通信が伝えた。 イラン外務省の報道官は、「暫定的な捜査結果から、このテロ事件には、シオニスト政権(イスラエル)と米国、そして彼らに雇われたイラン国内の傭兵という、悪の三角形が関与していることが示唆される」と語っていた。
同じ日にオバマ米大統領は、ホワイトハウスでサルコジ仏大統領と会談し、共同記者会見で、対イラン追加制裁をめぐる国連安全保障理事会決議を今春中に採択すべきとの認識で両国が一致したことを明らかにした。 オバマ大統領は制裁が決議されるまで何か月も待つつもりはないとし、「今春中に片を付けたい」と、数週間以内の採択を目指す意向を表明した。 一方でオバマ大統領は、追加制裁の内容に関して主要国間の溝が埋まっていないと述べ、追加制裁に消極的な中国とロシアに対し、フランスと協調して圧力をかけていく方針を示した。
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