2022年12月21日水曜日

金 日銀異次元緩和を転換

 日銀は昨日、長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げました。これまで黒田日銀総裁は許容幅拡大については「金融緩和の効果を阻害する」として否定的な考えを示してきましたが、昨日の会見では「景気には全くマイナスにならない」と従来の見解を転換。ドル円相場は日中は137円台から132円台へと約5円の円高ドル安となり、日本時間を終え欧米時間でも一時130.56円(02:09)まで、8/2以来となる4か月半ぶりの水準まで円高が進んでいます。ただ黒田日銀総裁自身も会見で「出口戦略は時期尚早」と現在の量的・質的緩和政策の変更は当面ないとしており、急な金利上昇に備え、長期国債の購入額も毎月7.3兆円程度から9兆円程度まで増額していますが、今回敢えてのサプライズ演出が今後投機筋の催促を招く可能性も指摘されており不安定な値動きが続くとみられます。
 米株式は5日ぶりの反発。NYダウは前日比92.20ドル高の32849.74ドル、ナスダックは前日比1.080ポイント高の10547.112、S&P500は前日比3.96ポイント高の3821.62と小幅高。

【金標準先物 日足】

NY金2月限は前日比27.7ドル高の1825.4ドル。直近での高値12/13の1836.9ドルまでには及びませんが、対円でのドル急落で買いが集まったとみられます。OSE金標準先物は昨日の大引け間近で7632円(15:01)まで大きく下落。一日の出来高は約62,000枚となり今後節目の安値となりそう。ただその後は急速な円高に対する修正の動きもありドル高円安によって7700円台まで回復しています。11月高値8049円から安値7754円の変動幅は295円/g、今月12月の高値7899円から昨日7632円までは267円幅とわずか5営業日で急落。ただ昨日のサプライズ発表で行き過ぎ感は否めず。

【白金標準先物 日足】

OSE白金標準先物も昨日の下げに対する自律反発。NY白金は1000ドルを回復しましたが対円ではなく対主要通貨ではまだドルが強くドル建て貴金属の上昇の勢いがまだ弱く、円建て価格を引き上げる力はすぐには厳しいか…。昨日の下げの余波がまだ残っている印象。

 

 

 

 

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