2010年7月22日木曜日

欧州ストレステスト

Q、ストレステストとは?

A、金融危機発生を想定して、銀行などの損失を厳しい基準で資産査定すること。ストレスを与えた状態での資産査定。

Q、なぜストレステストを行うの?

A、国の財政問題から、これらの国の国債を保有しているヨーロッパの銀行の資産て、本当に健全なのかを知るために行う。

Q、なぜ、健全であるかどうか知る必要があるの?

A、ヨーロッパのマーケットでは、ソブリンリスク(国の破綻リスク)により不安が広がり金利が上昇してしまった。そして更に不安が高まって金利が上昇してしまった場合、リーマンショック後のアメリカのようにお金の流れが止まってしまう。その見えない不安を取り除くために、見えない部分をはっきりさせる必要があるから。

Q、いつ結果がでるの?

A、日本時間の24日午前1時にウェブ上での公表

Q、対象となる銀行はどれくらいあるの?

A、当初は25行だけだったが、それでは意味ないとのことで、20ヶ国91行が対象となる。これはEU内の65%に相当する。

Q、ストレステストをやれば不安がなくなり欧州は景気回復するの?

A、ストレステストをただやればいいのではなく、ストレステストのやり方が重要。資産査定の基準の公表と、その基準の根拠の詳細が説明されなければならない。例えば、問題とされるギリシャやスペインの最悪の場合を想定して資産査定するといっているが、この両国の最悪の場合の国債価格をどのくらいに設定するのかなどのやり方の公表などが必要である。しかし、公表はされていない。

Q、以前にアメリカでもやっていたような記憶があるんだっけど?

A、アメリカでは2009年の前半に、大手19行に対して実施しました。内容は今後2年間に予想以上に景気が悪化した場合の損失を予想し、資本不足額を計算。その結果、19社中10社に合計6兆5000億の不足を指摘された。公的資金を含む資本増強により経営不安が払拭され、市場心理は好転し株価は上昇した。ダウが6000ドル台から今年の4月末につけた11000ドル台まで。

Q、昔、日本でもあったような?

A、日本でも日本版資産査定がおこなわれたことがあります。1997年山一證券の破綻をきっかけに、金融不安が広がりその翌年、大手行を中心に1兆8000億の公的資金が投入された。しかし、市場の不安はおさまらず政府と日銀は、不良債権がどの程度あるのかチェックする集中検査を実施した。その結果、資本不足とされた32行に8兆6000億の公的資金が投入され、マーケットは落ちつきを取り戻した。

Q、日本とアメリカの資産査定と今回の欧州での資産査定の違いはあるの?

A、日米共に大手行や証券会社が破綻に追い込まれてからの資産査定実施だった。今回の欧州での資産査定は、その前に行うという点が違う。

Q、その場合、何がポイントになるの?

A、徹底した資産査定が求められると思います。なぜなら、資産査定をしたにもかかわらず、その後に欧州国内で銀行が破綻に追い込まれた場合、ストレステストはマーケットを安心させるためのイベントに過ぎなかったと信用性が損なわれる。ポイントは先ほども言ったように、

・資産査定の基準の公表

・その基準の根拠の説明

・公表してマーケットが納得しなかった場合、審査当局はやり直しをすることをためらわないことが大切。

Q、マーケットのコンセンサスはどうなの?

A、現在、ストレステストの結果発表前のマーケットのコンセンサスは、ストレステストで、欧州の銀行の健全性が確認されるといった楽観的ムードである。

Q、ところであなたはどうなると思ってるの?

A、私は、当ブログで2月から終始一貫ユーロ売りを推奨してきています。そして、6月下旬からユーロ・ドルの1.3000前後までの反発を指摘していました。当ブログの過去のもので確認してみてください。そしてストレステスト後の流れとしては、悪い結果が出れば問答無用でユーロ売り。良い結果が出ても、その結果を信用できなければ、イベントの終了(=ストレステストの終了)を材料にユーロ売りとなると考えています。

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