2010年11月22日月曜日

米地銀破綻が止まらない

米銀の閉鎖が11月19日で149行に達した。すでに2009年の140行を上回っており、毎月10行のペースで破綻している。
比較的小さな銀行、日本でいえば信用金庫や信用組合が多いので、当時は差し押さえの可能性が低いとみられていた中間層や高所得者層、法人向け商業不動産の融資が焦げ付いているということ。

こういった中小の銀行はサブプライムのような低所得者層には貸し出していない。今年に入って住宅バブルの震源地だった、サブプライムローンの延滞率は4年ぶりに低下。

しかし去年からは逆に、中間層「オルトA」の延滞率が加速していて、ついに10%を超えてしまったのだ。「オルトA」とは、サブプライムとプライムの中間的な層のこと。

2007年8月17日に起こったサブプライムショック、そして翌年の9月15日のリーマンショック後、住宅市況は急激に悪化、ローンの延滞率も増加したため、一般の銀行は貸し渋りや貸し剥がしを
行ってきた。

今では住宅ローン全体の96.5%がGSEからの融資となっているという。GSEの2社とは 「フレディマック」 「ファニーメイ」 である。96.5%がこの2社だけからの融資.。金融危機前まではとても考えられなかった事態である。

GSEは米政府の保証が付いているが、今以上のローン破綻が増えてしまうと、それは最終的に米国政府、ひいては国民の税負担となってしまうことは明らか。

しかもファニーメイはすでに11四半期連続の赤字を出している。ファニーメイとフレディマックは、すでに合計5兆ドル以上のローン保証を抱えており、このまま住宅市場が回復せず、2社が破綻を余儀なくされた場合、米国政府が負担しなければならない額は、AIGやリーマンブラザーズ、ベアスターンズ等の破綻より遥かに大きいものとなる。

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