2010年10月28日木曜日

為替操作だけじゃない、中国の保護主義問題

1、為替操作

 2005年7月21日に中国政府が人民元を対ドル為替相場で2%切り上げた。この人民元切り上げとともに、中国政府は従来より採用していた、人民元をドルに固定するというドル・ペッグ制度から、複数通貨から構成される通貨バスケットを参照にしながら為替相場政策を行うという「緩やかな」通貨バスケット制度へ移行した。また、人民元の対ドル為替相場の許容変動幅が基準相場の上下0.3%に設定された、きわめて狭い為替バンド制度を採用。それ以降も、少しずつではあるが切り上げている。しかし、その切り上げ方に対して、世界中で不満の声が上がっている。

2、輸入関税

 中国では工業製品に対しての輸入関税がえらく高い。

(工業製品)

・日本⇒0%

・アメリカ⇒2.5%

・中国⇒25%

 ただでさえ、自国通貨安に抑えられている元に、25%もの輸入関税が上乗せされる。元安を考慮しなくとも、100万の車を中国に輸入しただけで125万に化ける。

(電化製品)

・日本⇒0%

・アメリカ⇒0~5%

・中国⇒5~30%

3、外資規制

 WTOに加盟している先進諸国は、ほとんどが外資規制がない。例外として、放送局はそれぞれの国の言論の自由を守るために外資に対して規制されているが。

 中国のほとんどの主要企業では、中国の企業・資本が51%以上を持つというような法律になっている。

 最近、ポルシェ(親会社はフォルクス・ワーゲン)が過去最高の利益どころか、過去最高の売上高を上げているのは、中国での販売が絶好調だから。

 経営権を中国側に取られてでも、中国の購買力に頼らざるおえない先進国の事情。

 とにかく、実体経済は不景気で先進各国は、中国に購買力を頼れざるおえない故に、多少の無茶を聞き入れなくてはやっていけない先進国。

 中国でモノ売りたきゃ、為替のことにケチつけるな。中国でモノを売りたきゃ、関税にケチつけるな。中国でモノ売りたきゃ、経営権は我々のものだ。

 これに対応すべく、アメリカはインドに近づきけん制してはいるが、将来性はあるがまだ先の話し。今が大変な先進国であるため、結局中国頼みになってしまう。

 また、中国にしても日本がアメリカに屈して変動相場制をとっていこう、360円⇒80円とアメリカのいい様に搾取され続けている歴史を見れば、なら世界中のみんなのために保護主義的な政策をやめましょうなんて絶対に言わない。

 先進国が緊縮財政に舵を切れば、更なる不景気で中国依存度アップ。更なる緩和策に舵を切っても、行き場のないマネーは結局新興国へ。

 時代の変革期なんだなと。18世紀から19世紀にかけての産業革命により世界をリードしたイギリス。

 イギリスポンドは19世紀半ば以降、国際金融の中心地としてのイギリスの強力な立場を背景に基軸通貨としての役割を担っていたが、第一次世界大戦で欧州各国は経済が疲弊し逆にアメリカは戦争特需で経済が急成長し、1910年頃から1940年にかけてアメリカドルが基軸通貨へと変わっていった。もちろんアメリカもこの時期に戦争特需により、保護主義的な政策を行ったが故、世界的な保護主義へと突入してしまった。

 あれ?国力をつけてきた国が、保護主義に走りそれが世界的な保護主義へと?それって今のことを言ってるの?

 結局、歴史は繰り返される。国や民族とややこしく考えるのではなく、人間という単位で考えれば古今東西考えることは一緒。だから、歴史は繰り返されるのである。どんなに科学が発達しようとも。

 それなら、1910年頃から1940年代までに起きたことを知れば、今後何がどのように起こるかがわかるのでは。

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

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