2010年5月25日火曜日

金融規制改革法案上院可決

 先週、金融規制改革法案が上院で可決された。まだ、内容が流動的なのであるためどうなるかだが、1月に発表されたボルガールールからすると金融機関にとってはやさしい内容になっている。

①ボルガールール

(1)大きすぎる金融機関作らない

(2)自己売買の禁止

(3)ファンドへの投資の禁止

②新金融規制改革法案

(1)大きすぎることに関しての制限なし。

(2)自己売買に関しては、監督官庁に任せる。

(3)ファンドへの投資は制限される方向にあるが、全面禁止にはならなそう。

そして、投資銀行(証券会社)と商業銀行(通常の銀行)の分離などの話も盛り込まれない流れ。リーマンショック時、商業銀行部門には問題がなかったが、投資銀行部門が破綻に追い込まれ金融全体に広がりシステミックリスクをおこした。

 今回の、金融規制改革法案で多少は金融機関への自由度は奪えるが、こんなものではいくらでも抜け道がある。だから、ボルガールールが発表された1月には、そんな法案ができたら大変だということで、急落したのである。しかし、1月19日、エドワード・ケネディ議員の死去とそれに伴う補欠選挙において、米国マサチューセッツ州で連邦上院議員の補欠選挙が行われ、共和党のスコット・ブラウン同州議会上院議員が、民主党のマーサ・コークリー同州司法長官を破り勝利した。これにより、オバマ民主党は上院での法案の安定得票数を失った。フィリバスター(議事妨害)を阻止できるのは60票以上。どうしても、法案をとおしたければ共和党と妥協するしかない。

米上院定数100議席。マサチューセッツ州の補欠選挙で民主党が負けたことにより、
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 4月26日の法案審議入りをとおそうと、金融機関の幹部がいる講演の中でオバマは「ここに出席している方々の中には、ロビイストを雇って規制改革に反対している方もいるだろう。だが、我々と争うのではなく共に改革に取り組んでほしい」と訴えた。
                しかし
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米上院は4月26日、民主党が提出した金融規制改革法案の本会議審議入りを否決。
 http://okachi5.blogspot.com/2010/04/blog-post_27.html
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         先週、民主党が妥協する形でどうにか可決

当方でも、骨抜きになると予想していたとおりでした。
 http://okachi5.blogspot.com/2010/04/blog-post_9839.html

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