2010年11月2日火曜日

皮肉な現実

 中国の学生たちによる尖閣諸島を巡る反日デモが各地で起きている。

 学生たちが声高にシュプレヒコールを上げていたのが【抵制日貨】⇒日本製品ボイコットだった。

 しかし、そのデモに参加している学生の多くが、日本製の携帯・デジカメ・ビデオカメラを持ち、その動画を家に帰り日本製のパソコンでインターネット上にアップしているという現実。

 デモに参加した学生に聞いてみても、「日本は嫌いだけど日本製品も日本のアニメも大好き」と答える始末。北京・上海・広東省広州の都市部に住んでいる20代~40代の世代を対象に行った調査では、「日本製の機器・家電を購入したいか?」という質問に対して、62%がYESと。

 しかし、円高や中国の保護主義による高い関税と元安維持によりとても高価な代物に。なので、日本に旅行に行く人に頼んで家電製品を買っている。1人の人が3個~5個のデジカメなどを買っていくのはざらである。秋葉原・銀座に行くと分かるが、そこら中で中国語が飛び交っている。中国都市部での大卒平均月収6万前後では手が出ない。しかも、大卒でも就職できない若者がとても増えている。だから、コピー天国で安いパソコンが氾濫している。そこで最近台頭してきているのが韓国のサムスンやLG。低価格化で中国のシェアを伸ばしている。本当に怖いのは、反日でもより、低価格化によりシェアを伸ばしてきている韓国勢である。今の中国は、付加価値よりも便利さ。ライフスタイルになかったものが手に入る喜びの時代。日本の三種の仁義(カー・クーラー・テレビ)の時代。その後にくる付加価値(デザイン・ライフスタイルにあった機能)。

 日本はアメリカに原爆まで落とされたにもかかわらず、その後アメリカに憧れた。中国は日本に一時、侵略されたにもかかわらず、日本のモノに憧れている。皮肉な現実。

 歴史が繰り返すと考えれば、今後中国では日本であったような大規模な学生運動が起こるのでは。今は反日と政府の言ってられるが、これが政府への不満となり各地で大規模な混乱が生じると思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿