商品先物取引　「切り札をさがせ」: 金　自民党新総裁　石破氏に

昨晩の米株式は米経済の底堅さを示す内容を好感し反発。NYダウは前日比260.36ドル高の42175.11ドル、ナスダックは前日比108.085ﾎﾟｲﾝﾄ高の18190.290、S＆P500は前日比23.11ﾎﾟｲﾝﾄ高の5745.37。米4-6月期GDPの確報値は前期比-3.0％と改定値と変わらず維持、新規失業保険申請件数は2週連続で改善しています。

自民党総裁選挙は決選投票の末、石破氏が勝利。一回目投票で高市氏がリードしてドル円は金融緩和政策を推進する高市氏を歓迎しドル高円安となり、株価も上昇。しかし引け後に開票された決選投票の結果では19票差で石破氏の勝利が確定。ドル円相場は一転ドル安円高となり1ドル146.50円から143円割れへと3円以上の円高に下振れしています。

【ドル円　日足】

【NY金12月限　日足】

【OSE金標準先物　日足】

昨晩26日のNY金12月限は前日比10.2ドル高の2694.9ドル。高値は2708.7ドルと史上最高値更新。米利下げ観測とは別に米国債売りの懸念材料が出てきています。米格付け大手ムーディーズ・レーティングスが24日、米大統領選後の米政府の信用リスクを分析したリポートを公表し、政治分断が続いて債務増加など財政の悪化に歯止めがかからない場合、現在の信用格付け「Aaa（トリプルA相当の最上位格）との整合性がとれなくなる」と指摘し、格下げの可能性を警告しています。米長期金利上昇でも「金」が堅調なのはこれが材料視されている可能性があります。もちろん、激化するイスラエルとレバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派との紛争で中東リスクが高まっていることも金の押し上げ要因になっています。
本日のOSE金標準先物8月限は前日比78円高の12491円（8:45)で日中取引をスタートし、自民党総裁選での高市氏優勢の報道を受けて、高市氏が安倍政権の金融緩和政策を支持していることから円安が進行するとともに上昇し午前中には前日比127円高の12540円（10:29）まで上昇。13:00から投票が始まると円安も加速し1回目投票で高市氏リードの結果が出た際には1ドル146.47円（14:37）をつけ、OSE金標準先物8月限は前日比190円高の12603円（14:25）と最高値12679円をつけた7/17以来の12600円台に乗せました。15:15の終値では前日比156円高の12569円をつけ、終値ベースでは過去最高値だった12562円（7/17）を超え、過去最高値の終値となっています。しかし引け後に開票された決選投票の結果はどんでん返しで石破氏が勝利。これを受けてドル円は一気に円買いドル売りに転じて一時143円を割り込む水準まで約3円の円高ドル安となり、16:30からの夜間立ち合いでは本日終値比268円安となる12301円で始まっています。
ドル円で左右された一日。ドル高円安基調はドルの買戻し状況から変化はないと考えますが、短期筋の投機的な動きが相場を振り回しています。一般的に相場で勝負していくにはその歪が狙い場に。

【NY白金10月限　日足】

【OSE白金標準先物　日足】

同じ貴金属でもドル円相場にはそれほど振り回されることなく動いています。OSE白金標準先物8月限は前日比44円高の4705円で本日取引を終えています。夜間立ち合いでは円高ドル安によって本日終値比95円安の4610円で始まっていますが今月立ち上がってきた上昇基調に変化はないとみられ4800円台を目先目標に上昇してくる展開と考えます。

セミナー　今後の予定