ロシアのプーチン大統領は24日(日本時間正午)に「軍の特殊作戦を実施する」と表明しウクライナ各地に攻撃を始めました。米欧など先進7か国(G7)はロシアによるウクライナ侵攻を非難し強調して制裁に踏み切る方針を確認しています。ウクライナのゼレンスキー大統領は戒厳令を発令しロシアとの外交関係の断交も表明。事態は最悪の方向へと歩んでしまいました。NY株は急落し、WTI原油価格は7年半ぶりに100ドルの大台乗せ。また小麦の価格も9年ぶりの高値をつけています。ただ昨晩のNY市場においては前日まで5営業日続落していたこともあり一時的にダウでは約800ドル急落し6営業日続落となって、ハイテク株を中心に下げ過ぎとみた買戻しも入り反発をしました。米政府は急騰している原油価格についても備蓄在庫を放出する方針を示し原油価格が急落、安全資産として買われていた金にも利益確定売りが入り反落となりました。ただロシア軍はチェルノブイリ原発を既に制圧、ウクライナ首都キエフも掌握するのではないかと見られています。戦闘で多くの死傷者も出ており先行きには依然として警戒が必要です。
<大阪取引所 金 投資部門別建玉内容>
先週18日までの金の建玉内容をみると買い進んできたのは海外投資家。今週7000円を超していますがトレンドに乗った投機筋(ファンド)が買いを強めたことが推測されます。対して一般の個人玉は売り越しポジションを拡大しており、典型的な逆張り対応で金相場に臨んでいる様子がうかがえます。地政学リスクは一過性と捉える考え方もありますが、今回のロシアによるウクライナ侵攻は、過去のクウェート侵攻や湾岸戦争の時のような事態とは状況も違い、米軍やNATO軍が応戦するわけでもありません。1979年ソ連がアフガン侵攻の際に当時6495円/gの最高値をつけましたが、オイルショック、インフレを引き起こしたケースによく似ているのかもしれません。米欧の経済制裁によりロシアからの原油供給は途絶えることは必至とみられ、有事に対するヘッジニーズは当面続くとみられます。<大阪取引所 白金 投資部門別建玉内容>
白金は「金」ほどの急騰は見せていませんが、国内は総取組高が減少する形で相場が上昇。海外投資家の買い越しポジションは少しずつ増加している一方で、個人玉の買い越し、法人玉の売り越しはいずれも縮小しています。玉整理が進む形で相場が上昇しており、NY白金の取組増加傾向とは正反対。ただ今後新たに仕掛けてくる余地もあるとみられ、ロシアのウクライナ侵攻による欧州の電力価格高騰やレアメタルの状況が白金相場に先々影響が出てくるものと思われます。
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