2021年1月12日火曜日

金 ドル高のロジック

 おはようございます。

米株式は連休のあいだは続伸後の反落となり日本市場は連休明けを迎えました。米株式は3指数とも週末金曜日は上昇、昨晩の11日月曜日は反落となっています。バイデン次期大統領は最優先事項を景気刺激策として14日木曜日に新たな景気刺激策を発表することを表明しました。市場は発表に期待感が高まるものの米国内でも新型コロナウイルスの変異種が発生しており不安要素も交じりながら状況を見極めようとする動きとなっています。米トランプ大統領の弾劾訴追への動きもみられますが、もはやこれに対する市場の反応は薄いようです。
特に先週からの米長期金利上昇で米実質金利の低下は反転し上昇。史上最高値を突き進んでいたビットコインも急落の動きとなっています。ドル金利上昇で対主要通貨におけるドル高も進んでいます。


【NY金 日足】

NY金は週末、日本時間では夜間立ち合い時間中に1900ドルを割り込むと下げ足を速めました。きっかけは先週指摘したように米実質金利の反転上昇と考えています。バイデン政権のブルーウェーブが当確し、大規模な財政出動から国債増発が懸念され米国債売りが強まり、米長期金利上昇。米実質金利が上昇することになりドル(実質)金利上昇からこれまで膨らんできたドル売りポジションの巻き戻しのきっかけとなりドル買いが先行することによって金が売られるといったロジックだったとみています。今週はパウエル議長講演をはじめ、多くの連銀総裁らの発言機会がありますが、先週から「QE縮小」についての発言が取り沙汰されています。金にとっては警戒材料。安値は1817.1ドルまででしたが、ドル巻き戻しが一巡すれば買い支えも出てくるとみられます。ただ買っていくにはチャートはまだ悪化しベクトルが下向きの状態のため1800ドルを固める動きを見極める必要があると考えます。

 

【金標準先物 日足】

週末の夜間立ち合いで6134円(3:25)まで下落。NYでの下落をもろに受けるかたちとなりましたが、まだドル高円安の動きも強まったことで幾分下げ幅は抑えられています。昨年クリスマス前の安値6206円(12/22)を下回っていますが、日中立ち合い時間に限れば6214円が安値であり、現在6200円を維持しようとしています。しばらく6200円を前後する展開を予想しています。米実質金利の反発が急速だったこともあり再び低下傾向に戻っていけるかがカギになるのではないでしょうか?今週はFOMCメンバーらの発言機会が多く、QE縮小の議論が高まると上値抑制要因となりますが、ドル金利上昇が長期に及べば当然米景気回復の足かせにもなりFRBが長期金利を抑制するような政策を検討してくることになると買い支えられる要因にもなり売り買い交錯の展開が続くか?

 

 

 

 

 

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